アーカルムじゃない転世



※遊戯王ネタ、CVネタ
※夢主=「神撃のバハムート」の主人公(救世の騎士)の妹
※「神撃のバハムート」イベの魔札決闘(カードバトル)繋がり←




物資調達のために、とある島に停泊中のグランサイファー。その甲板では、団長であるグランと数名の団員達が鍛練に勤しんでいた、のだが…



「ん?」

「どうかしたのか?」



ふと、自身の上に妙な陰りと気配を感じたアイル。

急にアイルの手が止まったのを不思議に思ったスタンもまた、剣の素振りの手を止めた。



「今、空で何か…」

「おお?何だ何だ?魔物か?」



目を細めて上空を睨むアイルに、茶化したような声を上げたのはスカルだ。



「いや…人じゃないか?」

「「はぁ?」」

「どうやらそのようだな」

「言っている場合か!」



アイルの言葉に淡々と肯定だけ示したエゼクレインに、ガウェインが鋭く突っ込む。

一歩踏み出したガウェインだったが、それをエゼクレインが制止する。



「変に動くより、既に動いた騎士に任せればいいだろう」



エゼクレインが言い終わる頃、彼らの真横を黒い影が過ぎ去る。



「おっと!」



その影の主ーージークフリートが、空から降ってきた人物を見事にキャッチした瞬間、甲板が更に騒がしくなる。



「流石ジークフリートさん!」

「ガウェインとは大違いだ!」

「貴様どういう意味だそれは!」



すこし離れたところで手合わせをしていたランスロットとグランがジークフリートの元へ着いた。その後ろにも数人、ジークフリートの腕の中へと視線が集まる。




「女の子だ」

「オレが言うのも何だが、顔色が悪いな…」

「どれどれ…」



ゼヘクの指摘にシャオが女の子へと近づく。

一旦シャオが見やすいようにと、そっとジークフリートは女の子を丁寧に降ろす。

その光景を見たバロワは、空を見上げた。それに倣うにようにグランもまた、空を見上げる。



「空から降ってくるとは…」

「アーミラとかアンチラとかフィラソピラとか…女の子って、空から降ってくるのが定番なのかな」

「何馬鹿なことを真剣に考えてんだよ、アンタ」



グランの妙な発言に呆れつつ、第一発見者とも言えるアイルは女の子の腕に目がいった。



「腕にあるガントレット…格闘家か?…にしては、細いな…」

「ふむ…ガントレットの組み込まれたようなこれは…カード、か?」

「もしかして、この子…

ディスカード・パペット?

……そんなわけないか!」

「とかいいつつ、トレハンを掛けようとするな」



トレハン教の頭には、カード=アーカルムの図式が完成されていたようだ。ホークアイの皮を被った義賊ほど恐ろしい奴はいない。



“にゃ〜”

「ん?黒猫?」

「確か、ダーントの…」

「リベラ殿!」



女の子の身体に乗り上げ、顔をふにふにと押す黒猫。肉球で押しているようだが、場所によっては微妙に爪が当たっている。

やはり爪が痛いのか、女の子は一瞬眉間にしわを寄せ、瞼をフルフルと震わせる。


『ぅ、ん……猫…?』



ボーッとしながらも、リベラの背中に手を添えて、起き上がる。



『ここは…』

「気が付いたようだな…」

「大丈夫か?」

『あ、はいっ!…あの、ここは一体…?』

「アンタ、突然空からこの騎空艇に降ってきたんだぜ?」

『空?…え、飛空挺?…もしかして空挺団ですか?ヴァーレリアの』



どうしよう迷惑かけた!とわたわたする女の子の言葉に、問いかけたアイルを筆頭に、団員達の頭に疑問符が浮かぶ。

いち早く察知した団長であるグランがそっと、女の子の肩に手を置く。



「大丈夫だから、落ち着いて。僕はグラン。君は?」

『グラン…わ、私はナマエといいます』



軽いパニックを起こしかけていた女の子…ナマエに平静さが取り戻された。

流石団長!と称賛する者もいる中で、ナマエを警戒する者も当然ながら存在する。警戒されていることに彼女は気付いていないのか、それすらも演技なのか…

ただ、団長と彼女の会話が、ところどころ噛み合っていないのだ。



「ナマエは、気絶する前のこととか、覚えてる?」

『気絶する前…そうだ、これ…』

「ガントレット?」



それはアイルが目を付けていたもの。

何かの武器かと、身構える者がいたが、そうではなかった。



『魔札決闘(カードバトル)っていう遊びで…これを教えてもらってるときに、いきなり風で吹き飛ばされて…』

「その勢いで上の島から落ちたのかな…ナマエのいた島の名前がヴァーレリア…ってこと?」

『島?ヴァーレリアは大陸の国、ですよ?』



ナマエも段々と気付き始めたようだ。“飛空挺”と“騎空艇”、“大陸”と“島”。

小さな差異。けれども実際には、大きな差異。



『まさかここ、新世界とか?ミスタルシアじゃないの?』

「え、イスタルシア!?」



根本から違う事に気付くまで、あと少し…


ーーこれは、元居た世界とどこか似ている別の世界のお話ーー


アーカルムじゃない転生



〜次回予告〜

突然別の世界へと迷い込んだナマエ!

敵視されたり、恋をされたり、知り合いと顔は同じなのに全くの別人に沢山あったりで、(精神的)ライフはどんどん削られてしまう!

ナマエ、しっかり!諦めなければきっと帰れるわ!

だけど、どうしたらナマエはミスタルシアに帰ることが出来るの?誰か教えて!

次回「発動せよ、“異次元からの帰還”」!

決闘スタンバイ!

End
ーーーーーーー
ヨハン目当てでデュエルリンクス久々にやったよ!←

遊戯王ネタ!(ネタバレ次回予告含む)
結構詰めたつもりだけど…まだいる、かも?
出演キャラ一応まとめると…
DM:社長
GX:覇王様
5Ds:キング、不満足
ゼアル:鮫、カイト君、扉
A5:トマト
VR:AI、リボルバー様、カエルと鳩

ベリアルは入れられないしなぁ…メガネとマフラーしてくる(A5)よりも、いらんファンサービス(意味深)(ゼアル)しかしなさそう←

VRにヴァイト君来た!ウチの騎空団にはいないけどね!神撃のバハムートにならヴァイト君いるのに…

2018.5.28

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