所有物
※学パロ/嫉妬
※「初恋の到来」で結ばれた設定…?
背中に感じる熱。
お腹に回された腕。
そして耳元にかかる吐息に、恥ずかしさとくすぐったさを感じていたルーシィ。
最初は、なんだか久しぶりの温もりに嬉しくて、そのままにしていたのだが…さすがに30分もその状態が続くとは、全くもって予想していなかったのだ。
「……」
「……」
「………」
「………」
「…………ねぇ」
「…………何」
「好い加減放してくれない?」
「ヤダ」
即答したスティングに、ルーシィは心の中で溜め息を零すしかなかった。
***
バスケ部強豪校として有名な妖精の尻尾学園。そのバスケ部のマネージャーであるルーシィと、こちらもバスケ部強豪校である剣咬の虎高校のバスケ部期待のエース、スティングは、恋仲にある。
学校の違う二人が結ばれたのには、練習試合や合同合宿という限られた場所で、ルーシィに凄まじいアタックをスティングが仕掛けるという努力がある。
そして、今日はその練習試合のあった日なのだが…学校と監督陣のスケジュールにより、いつもより早めに切り上げた二校。
二つのバスケ部で遊ぼうという話に落ち着きそうになった瞬間…
ーー「オレ達はパス」
そういってスティングは、ルーシィの腕を掴むとさっさと帰宅し、自分のベッドを背もたれにして、足の間にルーシィを引き込んでそのまま抱きしめ…今に至るのだ。
好い加減抜け出したいルーシィは身を捩るも、それを許さないというかのようにスティングはルーシィに回している腕の力を強める。
「…出ようとすんなよ」
「あのねぇ…さすがにキツイんですけど」
「オレはキツくないし」
「もう、何いって…」
「むしろ、足りなくてキツイ…」
「っ、ちょっと…!」
ルーシィの抵抗を無視して、スティングは耳朶をはむっと口にする。
ビクッと反応したルーシィに気を良くしたのか、そのまま耳の裏を舐めるスティング。
「何してるの、ちょっと!」
「何って……オシオキ」
「っ、は、い?何で…?」
不服だ!というルーシィに、ついむすっとした顔をしたスティングは、耳朶を口に含んだまま喋る。
「……いつもお互い部活のせいで会えねーのに、今日はその部活のおかげで会えるから楽しみだった…けど、何処ぞのマネージャーさんは、彼氏よりも他の選手に愛想笑いしまくってて…」
「部活、なん、だから…しかたな、」
「仕方なくねーよ」
例えば。3on3で順番待ちしてるヤツら。
例えば。休憩中にタオルやドリンクを手渡されたヤツら。
どいつもこいつも、ニヤニヤしただらしない顔しやがって。
お前らのマネージャーであって、オレの彼女だぞ!
直ぐにでもそう叫んで、引き寄せて、キスしてやろうと思った。
…実際、何を察知したのか、ローグに首根っこ捕まれて阻止されたけど。
淡々と語るスティングに、ルーシィは不謹慎だとは分かりつつも、嬉しさでいっぱいだった。
嫉妬していたという事実に、愛されてると感じたからだ。
しかし、その喜びも一瞬のことだったと、ルーシィはすぐ後悔する。
「つーわけで、悪い虫が付かないように、オレの所有物だって印を付けてやる。まずは、鎖骨から……」
サラッと、さも当然というように言ってのけたスティングに、ルーシィはすぐに反応出来なかった。
何時の間にしたのか、ブラウスのボタンが外されていて、下着が丸見えな自分に驚く。
両手はしっかり掴まれ固定されていた為に、抵抗出来ない。
ジタバタしたところで、状況は一切変化しない。
「ちょっと、まずはって、どういう…!」
「全身に付けるつもりだからだろ?」
「何しれッと言って…ひゃっ!」
「文句は後で聞くから」
「それじゃ意味な…んんっ!」
所有物
(それはオレの証だから)
結局、スティングがルーシィを放した頃には、ルーシィの体力が底をつきていた為に、腕から出ることは出来ずに終わった。
End
ーーーーーーー
アンケート1位のスティングでした!
書いてて楽しかったな←
タイトルは『秋桜』様よりお借りしました。
2015.8.4
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[ mokuji]
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