初恋の到来
※学パロ
※バスケネタ
「…オレはどうしたら…」
とある中学の進路相談室。
教室の真ん中に設置された長机に置いた二つの高校…妖精の尻尾学園と剣咬の虎高校のパンフレットを、腕組みしながら見つめる金髪の彼、スティング。
「…まだ悩んでいるのか」
「……ローグ」
物思いに耽っていたためか、扉が開く音にすら気付かなかったらしい。
夕日が差し込む廊下を背景に、彼の親友、ローグがいた。
そう、ローグの言う通り、スティングはどちらの高校に進むか、とても悩んでいた。
「憧れのナツさんを追いかけて妖精に入るか、そのナツさんを倒すのを目標に剣咬に入るか…だろ?」
スティングは中学生活を全てバスケにかけていたと言っても過言ではないだろう。
その中で、妖精の尻尾学園にいたナツ・ドラグニルの存在はとても大きい。彼のプレーは、スティングをひどく魅了した。
どんなに厳しい状況や相手であろうと、決して諦めない姿勢。果敢に1on1で挑むエース…一見無謀ともとれる彼の行動だが、必ずと言ってもいいほどに、そこから活路が生まれる。
全中で初めて見たその時から、そんなナツに憧れの眼差しを向けるスティングをローグは知っていた。だから、高校は妖精の尻尾か剣咬の虎かで悩んでいるのだろうと。
自分は剣咬の虎に進もうと考えてはいるが、あえてスティングには伝えていない。スティングの意志で選んだ結果、同じ高校になった時、また一緒にバスケをすればいいと考えていたのだ。
「いや、その…」
そう思っていたのだが。
やけに歯切れの悪いスティングを、不思議に思う。
「どうした?」
「実は、な。確かにお前のいう理由もあるが…もう一つ、理由が…」
「…もう一つの理由?」
初めて出たワードに、ローグは首を傾げる。
「ほら、ナツさんの横にいた金髪の人…覚えてるか?」
「…もしかして、妖精のマネージャーの人のことか?」
「実はな…オレ…
あの人のことが忘れられなくて」
「……」
初めて親友の口から聞いた事実に驚き、言葉を失うローグ。
よく一緒にいる二人だが、そういった話はあまりしてこなかった。
そして、やけにソワソワするスティングの様子から察するに…
初恋の到来
なんてタイミングだ…
また自分の世界で悩み始めたスティングに、声をかけることをやめたローグであった。
End
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な・ん・だ・コ・レw
シリアスからのギャグ…?
初スティングなんだけどなぁ…w
2014.10.10
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[ mokuji]
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