バカ、意識しすぎ





応接室で上機嫌に校歌を鼻歌する教え子(一方的に言ってる)に驚く(自称…?)家庭教師、跳ね馬。


教え子のここまで上機嫌な姿を見たことがあったのだろうか?(戦闘時を除く)



そういえば、自身の家庭教師が最近ファミリーに入れたい女の子がいて、その子の存在がキョーヤを更に強くするとかなんとか…


大方その子のことか。



こいつも男なんだな、などと思い、大人の余裕を見せる時か!と画策したのを後悔することは、想像にかたくないだろう……







*******








「随分とご機嫌だな…キョーヤ」






壁に寄りかかりながら言う彼を一瞥して、手元の書類に戻る。

僕の家庭教師だなんて言い張る彼…確かに咬み殺しがいのあるサンドバッグにはなり得るけれど、僕の上に立つつもりだなんて、本当ふざけてる。


その、何でも知ってるといいたげな顔は特に腹が立つ。





「何のこと」

「とぼけんなって!恋、してんだろ?」





そら機嫌も良くなるよなー、なんて言う彼を睨みつける。

今度は締まりのない顔…





「違うのか?例えば、みょうじ…おわっ!?」





つい反射的にトンファーを振りかざす。





「…何だよ、苗字しか言ってないだろ?オレはただ、芸能人のみょうじ##NAME3##似の子がキョーヤに合いそうとか話そうとしただけでだな…」

「……」




彼女のことをわかっているのか、いないのか…まるで小学生のようなからかい方。

確かに、最近は彼女と同じ苗字の人に反応しているかもしれない。


そもそも、みょうじ##NAME3##なんて知らないし、僕の隣にいていいのはなまえだけだ。
…今はまだなだけで、ゆくゆくは隣に居てもらう。



その為のお茶会であり、その為にはまず、その分の仕事を終わらせてから、色々と手筈を整える。



そう思い直して、また書類に戻る…






「まぁ、そんだけなまえってヤツを意識してんだな!」

「…名前」

「名前?……ハッ」

「…咬み殺す」





…ことはなく、再びトンファーを握ると、振り下ろした。



バカ、意識しすぎ

僕らしくもない。
けれどそれが心地いい、なんて…


To be continue…

ーーーーーーー

結構短い仕上がりに…

2014.09.09

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