ルールは守って






※CVネタ注意






「なあ、どうしてもダメか?」

『しつこいなぁ…マネージャーなんかしないよ。私だって忙しいから』

「?…みょうじって部活入ってねーよな?」

「むしろ1番に帰宅してますよね?」

『……』




スッと目をそらすなまえ。

確かに、クラスメイトから見れば、ただの暇人なのだろう。

でも、マネージャーなんて面倒くさそうなことしたくない。


ここはやはり…逃げよう。





『じゃあ、私と勝負して。そっちが勝てばマネージャー引き受ける。でも、私が勝ったら諦めて』

「よし、いいぜ」

「勝負って…何をするんですか?」

『……これよ!』





黒子と火神の前に出したのは、一つのデッキケース。




『遊戯王よ!』

「……遊戯王」




固まる二人に、なまえはつい笑ってしまう。

そう、彼女は“不戦勝”を狙っていたのだ。


どう見てもバスケ一筋らしい二人が、カードゲーム出来るとは、思っていない。


勝った…!
そう思った彼女だったが…





「いいぜ、別に」

『っ、え』

「僕も大丈夫です」




……なんですと?






******





向かい合うように座る火神となまえ。

ジャンケンの結果、先攻は火神となった。





「……召喚僧サモンプリースト、召喚。こいつの効果で、デッキからダーク・グレファー特殊。んで、こいつの効果で、一枚墓地に…」




先ほどのデッキシャッフルといい、テキストを読むことなく効果を使うことといい、カードの扱いに随分慣れているようだ。





「エクシーズ召喚、ラヴァルバル・チェイン。効果でデッキからモンスター一体墓地に。墓地のこいつを除外して効果。手札の悪魔族…インフェルニティ・ネクロマンサーを特殊召喚。カードを伏せて…ターンエンド」

『ふーん、インフェルニティデッキ…ハンドレスコンボ、ね。先攻第1ターンからきっちりしてくるとは…』

「やるからには本気だからな」




口角を上げて言う火神に、なまえは冷や汗をかく。





「私のターン、ドロー……



私は、モンスター一体を裏守備表示でセット。カードを3枚伏せて…ターン終了」




自分の手札と、火神の場を比較しながら、暫し熟考したなまえの手は、火神とは違いシンプルなものだった。


しかしその顔に、焦りなどはない。


そんな彼女に、少し火神が違和感を覚えていたところに、教室の横を通りがかった日向が入ってきた。





「お前ら何してんだ?」





黒子が日向に、前にマネージャーにしたい人と勝負で決めるという話はしていたので、そのことだと説明する。

ああ、あれか。と、納得すると、向かい合う二人に視線を戻す。




「はあ!?口上!?」

『そのエクシーズ、専門口上あるんだしさ!ほーらー、早くー!』

「っち、

シンクロ、レベル8
地獄と天国の狭間 煉獄より その姿を現わせ!煉獄龍 オーガ・ドラグーン!」




火神が召喚したモンスターは、手札ゼロで相手の罠、魔法の発動を無効にする効果を持っている。

あの火神の表情といい、勝ちを確信しているな…場にはエクシーズモンスター二体。相手は裏守備モンスター一体と、伏せカード。

まあ、伏せカードの意味はほとんどないようなものだからな、実質壁モンスター一体か。

バスケだと、油断するなと怒るところだが…と日向は思った。




「結構ノリノリだな」

「でも、負けたみたいですよ」

「…はぁ!?」




椅子に真っ白になって項垂れる火神と、ホッと息をつくなまえ。

堪らず日向は、なまえに解説を求める。




『火神くんがオーガ・ドラグーンで攻撃したのが、これです。執念深き老魔術師。これのリバース効果で、オーガ・ドラグーンを破壊。ラヴァルバル・チェインの攻撃は魔法の筒で返しました』




ここまでで火神に1800のダメージ。残りライフは2200。
そしてなまえのターンへと移る。



『まず、“魔法剣士ネオ”を召喚。魔法カード、二重召喚を発動して、更に“サニー・ピクシー”通常召喚。続けて魔法発動、ミニマム・ガッツ。その効果でサニー・ピクシーをリリースして、ラヴァルバル・チェインの攻撃力をゼロにして、ネオで攻撃。ミニマム・ガッツの効果でラヴァルバル・チェインの攻撃力分のダメージを受けてもらいました』

「2200−1700で残りライフ500。さらに1800のダメージでゼロ、か。…お前強いんだな」

『いえ、運ですよ。ハンドレスコンボが来た瞬間、正直怖かったです』

「運も実力の内だろ?今度オレともやろうぜ?」

『先輩もやるんですね。どんなデッキ使うんですか?』

「前はギミック・パペットを使ってたんだけどな、最近DD使い始めてよ」

『…どっちもある意味凄いデッキですね』

「今度は僕の番です」





火神を押し退けて座る黒子。
ジャンケンの結果、黒子が先攻をとる。

自分のジャンケンの弱さになまえが打ちひしがれている間に、黒子は淡々と進めていく。




「僕のターン……僕は、魔法カード、強欲で謙虚な壺を発動します」





デッキの上三枚をオープンして…その内の一枚、星詠みの魔術師を手札に加えた。


その他二枚のカードは、どちらもモンスターカード。そしてそのカードの表記はEM(エンタメイト)。




『(EMのペンデュラム召喚…)』

「そして…ミスディレクションにより……」

「来たか、黒子のミスディレクションが…」




隣で見ていた日向の息をのむように言った言葉に、なまえは反射的に身構える。



…って、ちょっと待って。



「そのカード、消えるよ」

『別ネタ入ってきた!!…って、そうじゃない!』



ルールは守って

切実に!!

(ミスディレクションって、それ反則!)
(え、ほらアレですよ、“マインドクラッシュ”的な)
(もっとダメだよ!?)

End
ーーーーーーー
超自己満のCVネタ☆
アニメ内で見つけた「そのカード消えるよ」に大爆笑。
W小野のガチデュエルも、見てて笑った←
棋譜はそのデュエルから、私の持つカードで対処させてもらいました。ラスト駆け足ですいません…
2015.3.11

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