急遽非番になりまして
※シカサク
※友達以上恋人未満…?
「ひまぁ…」
「……俺に言われてもなー…めんどくせぇ」
視線を読んでいた新聞から、ピンクのそいつに向ける。
縁側から足を出してプラプラしているソイツーーサクラは、俺を恨めしそうに見ていた。
いや、んな顔されてもよ。
「だって暇なものは暇なんだもの…それに、今日突然非番になったのは、私とシカマルだけだし?」
そう。サクラは今日突然火影に非番を言い渡されたのだ。
理由は多分、サクラが過労で倒れかけたことだろう。
『そういえば、シカマルもサクラと同じくらい働いていたな』というついで感満載の理由で、俺も非番になった。
なら火影様の仕事を溜める癖をどうにかしてください、という言葉は胸の内に秘めておいた。
俺はめんどくせぇ事は嫌いだし、ただボーッと時間を過ごすことだって出来る。
けどサクラは、生粋の休みベタだった。
下忍の頃は知らねーけど、最近のサクラは休みベタだと言える。
「ゲームか何かないの?」
「……将棋なら、」
「却下!」
プクゥっと頬を膨らませ、絶対勝てない!と猛抗議するサクラに溜息が出る。
勝手に俺ん家まで来て何言ってんだよ。
本当に、めんどくせぇ…
「トランプならあったと思うが……ポーカーでもやるか?」
「カードなら、勝機はありそうね!…折角だから、何か賭けない?」
「どーせ、白玉あんみつ奢れとかだろ」
「うっ…!」
「別に賭けなくったって、サクラになら奢ってやるよ」
「へっ…」
何か勝負になれば、サクラは白玉あんみつ。ナルトはラーメンと…単純っつーか、何つーか…
別に俺は、賭けをしなきゃ奢らないわけじゃない。普通に誘うのが何処か照れ臭くって、賭けを理由にして奢ることはあるが。
もちろんそれは、サクラにだけだけどな…
「で、やんのか?」
「や、やる!私が勝ったら…今日、で、デート…して?」
「っ!」
しどろもどろに提案して来たサクラ。
つい言葉が詰まったのは、サクラの顔が真っ赤だったことに驚いたからなのか…
…サクラの言葉に、胸が妙に高鳴ったからなのか。
サクラから伝染してきたのか、俺まで顔が熱くなってきたが、悟られまいと平静を装う。
「いいぜ。その変わり、俺が勝ったら…
今日から俺と付き合え」
サクラの赤かった顔が余計に赤くなって、思わず笑っちまった。
さて、これは勝つしかねぇよな?
End
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〜2015.2.7
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