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※グラブル×AOT→HP
※タイトルは「秋桜」様よりお借りしました。
※何でも許せる人向け
ファータ・グランデ空域で有名な魔法学校ーー
「ここが…マナリア魔法学院」
初めて訪れた地に、エレン・イェーガーは目を瞬かせた。
***
「はぁ?不良学生の喧嘩を俺が止めろと?」
団長グランが率いる騎空団に加入して幾許(いくばく)か。
魔物討伐以上に不可解な依頼協力要請に眉間のシワが寄った。
「リヴァイさんって、元ゴロツキだって聞いて…学生相手に武器を使ったりするのは気が引けて…」
『相手は武器を使ってくるけどね』
「なまえ、それを言わなくても…」
ジトっと見てくるグランに、なまえはからからと笑って誤魔化す。
『ごめんって。まぁ、武器無しで相手を無力化するのに特化している団員に声をかけててさ』
「たかがガキ同士の喧嘩に、そこまでして大人が介入するのもどうかと思うが…」
『そのガキ同士の喧嘩の裏では、悪い大人が介入してるみたいだけどね』
「ほぅ…」
そもそもマナリア魔法学院に入学出来る時点で優秀であることが認められている。
そんな者たちの中から、不良学生などと呼ばれる者が出ることじたい不思議なことだ。
マナリア魔法学院に通う生徒は皆、立派な魔導士になるために、日々努力出来るだけの向上心と信念を持ち合わせている。
短期講師として団員のエルモートが学院で生徒たちと関わる間、何故不良学生になってしまったのか、彼らを取り巻く環境や変化を調査する中で判明した、一つの原因…悪い大人の存在だ。
「その辺のことは、エルモートが対処してるけど…一般の生徒たちの方まで手はまわせないだろうし」
『彼らの喧嘩やら憂さ晴らしに巻き込まれるのは、筋違いでしょ?』
「なるほどな…事情は把握した」
本当なら、喧嘩をただの喧嘩にさせない原因を根本から叩き潰したいところだが、証拠が出揃っていない今、手を出すわけにはいかない。
少々もどかしくもあるが、今出来る精一杯をしようとするグランに、リヴァイはひとつ頷いた。
「それじゃあ!」
「少しばかり《教育》をすればいいんだろう?」
『……《教育》だよね?』
《調教》って聞こえたのは私だけ?と喜ぶグランの隣で首を傾げるなまえであった。
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2018.10.12
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