歌姫になれないなら、作ればいいじゃない!




※HP×ボカロ?




突然ですが、トリップをしました。


それも魔法界。世界的にも有名な児童書で活躍する主人公…の親世代と呼ばれる時代に。

原作云々依然の話だった。


ハリーのお父さんとお母さんの仲が険悪なんですが、大丈夫なんですか?本当に結婚するの、この二人?ってレベルなんですが。



特別な能力なんて皆無…ではなかったけど。

何故か話す言葉は英語だし、聞こえる言葉は日本語。書く言葉は英語で、読む言葉は日本語。

ただし、自分の強い意志が無いとこの補正?の効果は無くなっていた。
ボーッとしていれば、耳に聞こえるのは英語だし、意識し無いで書いたものは全て日本語。

頭で日本語の文章を組み立ててから集中すると、そのまま手は英文を書いていた。…まぁ、初めに日本語でレポートを書いてから、英文で清書しているので、他の子より時間がかかっているのだが。


これが補正なのか、いわゆる翻訳魔法というもののお陰なのかは定かではないが、正直英語は苦手な部類に入っているため、この通訳の必要が無い現状にはとても助かっている。

ただでさえ、魔法の勉強という特殊用語満載なものを覚えなくてはならない現状なのに…

時代のせいなのか、待っていたのは人種差別で。唯一の救いは、私が純血…ということで通っているため、比較的穏やかなイタズラに留まっている人(主にスリザリン)もいるという点だろうか。

スネイプ先生にイジメまがい…いやイジメだろあれ。現代でも無い…とは言い切れない…くらい陰湿なイジメだ。


グリフィンドールのはずなのに、やってることはスリザリン並みに陰湿。…下手したら、スリザリンの方が正々堂々としているかもしれない。卑怯か狡猾か。とりあえず性根の曲がり方はいい勝負だろう。


そんなことをやる連中に、ロックオンされた時点で終わってたな。

心無い言葉に一々傷付く暇はなかった。最早それが日常。

可愛いヒロインなら、泣きそうになるだろう。
…そもそも、可愛いヒロインなら、こんなことになって無いか。
気の強いヒロインなら、仕返しをするだろう。
…気が強いなら、この事態は早々に解決しているか。

私は残念ながら、可愛くも無いし、反撃出来る程の強さも無く。

泣きたくはなるけど、兎に角押し殺してきた。心を空っぽに。何も考えない。言葉を理解しないように…わざと英語で聞こえるように。ヒアリング能力が身についていたら、ダイレクトに嫌な言葉を理解していたんだろうなぁと、ぼんやりとは思った。そこは英語を完璧に理解していない自分を褒めた。もちろん、後々のためにもヒアリング能力が向上…しかも侮蔑用語…しないようにしている。聞いていなければ、聞こえないのと同じ。無関心を貫き通す。
多分、閉心術はマスターしてる気がする。

静かに勉強に没頭する日々を送っていく。
そのお陰で、話し掛けてくれる人も出来た。この世界は実力主義な所があるので、助かっている。成果が努力した分だけはっきり分かるのだ。…もちろん、センスそのものを問われるものもあるが…。

そんな日常に慣れたころ。

ふと、欲が出てきた。


作業BGMが欲しいと!!

癒しが欲しいと!!



いくら無心で来たところで、疲弊はする。
現代ではストレス発散方法はいくらでもあったし、リラックス方法だってそうだ。

この閉鎖的空間でのリラックス方法といえばアロマや音楽鑑賞だが…キツイ匂いは慣れ無いし、音楽にしてもクラシックとかしか…今は無性にJ-POPが聞きたい!

この時代にiPod等の音楽機器があるわけないし…

やはり、夢小説あるあるな《歌が上手い》とか《ピアノが弾ける》わけでもなくて。音痴では無いけど、いたって普通レベル。歌うことは嫌いでは無いが、今は兎に角BGMを求めている。それを聞きながら口ずさみつつも、作業に没頭したい。



その欲望の結論として、粘土の塊を前に杖を構える。


変身術の応用…ゴーレムを作る要領でいけるのでは?

粘土製ろいどがあるし…いや、ここはフィギュアにしよう。可愛い七頭身。ダンス付き。

さぁ来い、ミクちゃん…!

邪念満載で杖を振った。否定はしない。だからなのか…



光ながらクルクルと回転をしながら、粘土が形成されてゆく。

光と回転がおさまり、目の前に完成した十数センチの人影。

横に棚引く二本の…


マフラー。


…ツインテールでなく、マフラー?



《はじめまして、俺のマスター!》



KAITOーーー!!!






歌姫になれないなら、作ればいいじゃない!
(…お前じゃない!!)
(叫びかけた言葉をグッと堪えた)

End
ーーーーーーー
…っていう夢を見た←
後にKAITOが人サイズになる、とか…

2019.5.24

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