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プロローグ
ここは、マグノリアにある魔導士ギルド、妖精の尻尾(フェアリーテイル)。
『REQUEST BOARD』の前で、腕組みをしている金髪の少女の横に飛び込んできたのは、桜色の髪の少年と青い猫。
「ルーシィ、仕事行くのか?オレも行くぞっ!」
「金欠なんでしょ、ルーシィ?」
「うっさい、猫っ!それはあんた達のせいでしょ!?」
そういうとルーシィは、ハッピーから『REQUEST BOARD』へと視線を戻した。その視線を追うナツとハッピー。
ちょうどルーシィの目の前には、一枚の依頼書…
「なになに……『扉向こうの世界を“平定”して欲しい。報酬30万J』?
……(さ、30万J!?余裕で今月の家賃+前から欲しかった本が買えるじゃない!!)」
「『扉向こう』ってどこだろうね、ナツ」
「てか、“平定”ってなんだ?」
「てめぇ、んなこともわかんねぇのか?」
「「グレイッ!」」
『なんだよ、やるか?』『あぁ?ざけてんのか、てめぇ?』『んだと、タレ目やろう。』『黙れよ、ツリ目やろう。』
──と、悪態をつきあいながら魔法を発動するという、いつものやり取りが自分の真後ろで繰り広げられているにも関わらず、
「『平定──すなわち、戦に有らず』…戦闘じゃない!!これに決めたわ!!」
と、感極まったルーシィが何かに弾かれたかのように叫んだのと、
「いい加減にしないか、お前達っ!!」
と『妖精の女王(ティターニア)』こと、エルザが二人に怒鳴ったのがほぼ同時で──
──ゴッ!!
「う゛ぁ゛っ!」
──ドカッ!!
「い゛でっ!」
ナツとグレイに、エルザの仲裁(制裁?)が入ったころ……
「あれ、まだ続きが……『忘れるなかれ、平定──則ち【エソド・モウィ・ゴト】』……?」
ルーシィのその言葉に反応したのか、ルーシィの目の前の『REQUEST BOARD』…
否、依頼書が光輝いた。
「「「「…ル、ルーシィ…?」」」」
その場にいた全員が、ルーシィを見る。
「なっ、なんだ!?」
桜色の髪の少年に……
「おいら今、デジャヴュ感じた……」
続いて、青い猫……
「このパターン、どっかで……」
そして、いつの間にか上半身が裸の少年に……
「…くっ…」
紅色の髪の少女……
そして──
「キャァッ!」
金髪の少女達は、淡い光に包まれていった。
「ルッ、ルーちゃん!?」
「おいっ、どうしたナツッ!」
「グレイ様ッ!!」
「き、消えた?!」
「んな、馬鹿なっ!?」
騒然とするギルド内……。
それと対照的に、ハラリと静かに依頼書が床に落ちていった……
[第一章へ続く]
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