![](//img.mobilerz.net/sozai/154_w.gif)
![](//img.mobilerz.net/sozai/159_w.gif)
1
いつものように、ナツと取っ組み合いやらなんやらをしていたら、眩い閃光に包まれ、目を瞑る。
しっかり立っていたはずが、突然の浮遊感に襲われた。しかし次の瞬間には、何かに包み込まれた。
驚き目を開くと…
ーーゴポッ…
目の前を一つの大きな気泡が通過した。
…………。
って、は!?気泡!?
声を上げたはずが、全てシャボン玉のように目の前で…
ってオレは馬鹿か!
どういう訳にか今ここは水の中。おもっくそ口をあければ空気が一気に出て苦しく…
苦しく…ない?
「どうなって…」
多少水中のためか、こもったような声が響く。どういう訳か水中で呼吸が出来ていた。
とりあえず、体を起こそう(?)とした瞬間…
「!?!?」
自分の足が、人間のそれでなく、魚になっていることを知った。
「おいおいおいおい…本当に何がどうなってやg…」
「見つけましたぞーー!!!」
「ブッ!?」
何かが顔面に突っ込んできたために、最後まで言えなかったが、本当に何がどうなってやがる。
顔面に付いたソレをひっぺがしてみると…
顔が妙に濃ゆいヒトデだった。
…ってか、ヒトデか?
「人魚姫殿!勝手に出歩かれたら困りますぞ」
「えっと…」
「まだ人間界に行ってもいいというお許しは出ていないのですぞ!」
「人間界…?オレは人げ…」
人間。その言葉は途中で止まる。
「…人魚姫、殿…って、オレのことか?」
人魚姫…
それは子供達が空想に描くお姫様のことだ。
「何を言っておられるのですかな、人魚姫殿」
当たり前だと言わんばかりの顔に言葉を失う。
海の中で、呼吸が出来る理由…それは人間ではなく、人魚だから…か?
内に留めたつもりの疑問は、つい口を付いて出たようだ。
「それは海の精霊魔法のおかげですぞ…本当に大丈夫ですかな?体調が悪いのでは…」
ヒトデの言葉はあまり頭に入ってこなかった。
海の精霊魔法…初めて聞いたが、誰かがオレに魔法をかけた…
というか、あの依頼書の魔法なんじゃねぇのか?オレがこんな訳のわかんねー所にいる理由としても、納得がいく。
つーことは、他のメンバーも多分この世界…というか海の何処かにいる可能性が高いか
…いやまて。
このヒトデはさっき、人間界と言った。
海を探すより、人間界の魔導士にあたった方が早くないか?
「こ…これ、待ちなされ!人間界は危険ですぞ」
ヒトデを無視して、オレはとりあえず、水面を目指した。
→
[*prev] [next#]
[ mokuji]
[しおりを挟む]
![](//img.mobilerz.net/sozai/159_w.gif)