姫が王子で王子が…王子?






「つーか、あのバカが前に依頼書の呪文を不用意に読むとどうなるか…身をもって実感したはずだが?」

「ハハハ……ごめんなさい」

「ったく…ようはあの呪文が、オレ達をここに飛ばしたっつーことだろ?そして、ここが…御伽噺の世界…ねぇ」





辺りを見回すグレイ。

一見しても、自分達のいたマグノリアとなんら変わりもない、ごく普通の景色だ。





「予測の域を出ないけど…御伽噺を模した空間…みたいな?」

「まあ、次元を飛ばすほどの魔法があるとは思えねーし…どっかの金持ちが面白半分に空間転移させてオレ達を監視してる…とかな」





それ最悪…

グレイの考えに、ルーシィは背筋が寒くなった。

だが、あり得なくも無い話なだけに、余計頭が痛くなる。





「けど、そうなるとかなり凝った設定だよな。魔法を知らないヤツらか…」

「グレイの魔法は使えるの?」

「ん、ああ。ほら」





グレイは掌をルーシィの前に出すと、初めて見せてくれたのと同じ氷のギルドマークを作り上げた。





「けど、しっくりこねーんだわ、これが」

「え?」

「何つーかこう、使える魔力を制限されてるみてーな感じ?」






元々魔法が存在していないもの扱いの為なのか、魔力のコントロールも不安定にあった。






「そういうルーシィはどうなんだよ?」

「あ、うん…それが…」






船が難破しかけた為にここにいると言ったが、そもそもの原因を説明していなかった。

ルーシィとしては、この原因はただの予想で終わって欲しいという願望も込めてグレイに説明する。




「まぁ何だ…コレに首謀者がいるのは間違いねーから、ソイツが鍵をとったのかもしれないだろ?」

「…そう、かしら」

「そうだよ!兎に角今は、ナツとエルザと合流して、その首謀者を殴り飛ばすことを考えようぜ?」





いつもなら、その首謀者=依頼主だった場合…殴り飛ばして報酬ゼロ?という方式が即刻頭に浮かぶのだが、今のルーシィはただただ、鍵を紛失した原因が自分かどうかにかかっている為、考えがいたらなかった。




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