2時間半の使い方
ーー行列です!早速並んできます!ストップウォッチ、スタートです!
『行列に態々並んで、その時間の長さで競うって…大変な仕事だよね』
テレビに映るのは、今話題のレストラン。何でも、ランチに出るエビフライが有名なんだとか。
番組の趣旨からして、唯一の救いは、真夏日でも、真冬日でもない、春先の程よい気温というところだろうか。
テレビアナウンサーも大変なんだなぁ。
ーーついに私の番になりました。結果は…なんと、2時間26分です!
『エビフライの為に二時間半の行列…』
昼食にエビフライ…とお昼から並んでみたら、自分の番がくるのが14時過ぎって…
『いや、こんなに並ぶのはなぁ…』
「余裕だな!」
『えぇ、十代、二時間半もジッとしてられる?』
「エビフライの為なら余裕だな。それに、デュエルして待ってりゃ、直ぐだろ!」
『…それは駄目だよ」
「そうか?」
ソリッドビジョンを使う使わないの問題じゃないからね。
行列はただ待ってるだけだけど、徐々に前に動くんだから。
カードを広げるなんて、ただの迷惑行為でしかないし。
『私だったら家でのんびりしたいって思っちゃうなぁ』
「けど、なまえと一緒なら、二時間半なんてやっぱり直ぐだろうな」
『え、』
それは、私といられればどんな時間も早く感じられるって、こと…?
そう思うと胸が高鳴った。
「あぁでも、確かに二時間半、二人っきりの家でのんびりデュエルとか……するのもいいよな…なまえはどっちがいい?」
『……二時間半並ぶか、家で過ごすか?』
少し思案した十代は、真剣な顔を向けてきた。
それにまた、胸が高鳴って…
私も、十代と一緒なら…そう答えようとした瞬間、十代の眉間にシワがよった。え、何で?
「はぁ?二時間半、人前でイチャつくか、二人っきりでスるか、だろ?」
『ば、バカじゃないの!?』
「なんだよ、結構本気だぞ」
『やっぱりバカ!おバカ!』
2時間半の使い方
(私のときめきを返して!)
End
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某番組より。
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2017.5.1
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[mokuji]
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