その言葉に嘘は無い





※SP?BG?…護衛をするサスケ
「protects」の続編
※サスケの心が荒ぶる=心内語が全力でキャラ崩壊




今回の任務は、春野製薬の一人娘、春野サクラを護衛すること。

基本的に大学で長い時間を過ごす彼女。

その為俺は、他大学からの聴講生として、静かに紛れ込むことになった。のだが…




「ヤバくない、あの人…!」

「かっこいい…ってか、超綺麗!」

「あんな人、うちの大学にいた!?」




ヒソヒソと交わされる会話(内容はほとんど聞こえなかった)に、ビシビシと痛いほど感じる視線。さすがと言うべきか…春野サクラの人気の高さが窺える。

こいつの隣に居る時点で、静かに遂行することは不可能だと、初日で悟った。





「サ、サスケくんっ…!」

「どうかしたか、サクラ?」

「あの、えっと…」




友人を装うからには、護衛対象との会話はフランクに。上司とも、サクラ本人とも了承したことだが、いざ話そうものなら、サクラはどこか焦ったような姿を見せる。もう数日経つというのに、慣れる気配は皆無に等しい。


初めて会った時は、堂々とし凛々しくもあった印象だったが、今はとても可愛らしく愛らs…ん、気にするな失言だ。




「ちょっとサクラー!!」

「い、いの…!」




突然走って来た人物は勢いのままに、サクラの腕をむんずとつかみ上げると、そのまま引っ張り込んで二人でコソコソと話し始めた。


サクラから少し聞いていた、大学の話に出てきた友人…それが彼女なのだろう。

二人を視界に入れつつ、辺りをさりげなく警戒する。




「ねぇ、サスケくん、っていうのよね!」

「…そうだが」

「私、山中いの、よろしく!」

「ちょっと、いの!」

「それで、サスケくんって何処の大学なの?」

「……夜鷹大学」

「うっそ、超名門!なのにどうしてうちの大学に?」

「大和教授がここの専任でしか授業をしないからな」

「なるほどねぇ…」




納得の言葉を言いつつも、未だニヤニヤとした表情で見てくる山中。




「まだ何かあるのか?」

「単刀直入に聞くけど…




サクラとはどういう関係?恋人?」

「いのっ!何聞いてるのよ!ゆ、友人だって言ったじゃない!」



わたふたするサクラに、えー?そうだっけ?と聞き返す山中は、どう見たって確信犯だった。


サクラをからかい、潤んだ涙目で見つめさせるとは、相当な手練れ…実に羨まs……違う何でもない。




「ご、ごめんねサスケくん!いのってば変なこと言って…気にしないでいいからね!?」




謝っておきながら、嬉しそうな顔をするのは何故だろう。


気にするなと言うなら何故、悲しそうな顔をするのだろう。


何故、そんなにも複雑な顔をする?

サクラの表情に、自惚れそうになる。だが、確信は無い。




「サクラが俺の恋人…



それもいいかもな」

「えっ、」

「……って言ったら、どうする?」



ぐぐっと身体を前屈みにして、向かい合うサクラに近付き、こそっと耳打ちする。


確信の持てない、曖昧な言葉を。


横目にみたサクラは耳を真っ赤にさせていて…身体を元にもどして見た顔はとても赤く、口をパクパクしている。

……やべぇ、可愛い。




「山中、だったか…サクラは俺の…


トクベツ、だ」



俺の言葉で揺れ動けばいい…


その言葉に嘘は無い
(…だが、こんなことをしていると上司にバレたら…)
(………考えるのは止めておこう)
End
ーーーーーーー
2017.11.1

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