悪夢は夢でしかない!





真っ暗な闇の中


静寂の中で泣いてる女の子は……私?


それも子供で…


ちょっと変わった赤い服…


《その私》の前にいるのは──




「サスケくん」




─も、やっぱり今のサスケくんより子供で、服もなんか違う




『私は…!私はサスケくんが好きで好きでたまらない!!』




泣きながら突然叫びだした《私》




『サスケくんが私と一緒にいてくれれば絶対後悔させない!』




嗚咽混じりに叫び続ける《私》




『毎日楽しくするし絶対幸せになるはずだから!!』




たくさんの愛の言葉を言う《私》……だけど、プロポーズ…というより…




『私、サスケくんの為なら何だってする!だから…』




何を…




『お願いだから─────!!』






─《ワタシ》 ハ ナ ニ ヲ イ ッ テ イ ル ノ … ?







*******







「ぅん…」




眩しい…




「よく寝れたか?」



私のピンクの髪の間からちらつく黒色



「…サ、スケくん」

「何だ?…おわっ!?」



勢いよく起き上がると、サスケくんにしがみつくかのように抱き着いた。




「どうした、サクラ?」

「…ううん、なんでも」



ただちょっと…そういって頬を擦り寄せる。
ほんのりとサスケくんの香りが鼻を掠め、なんだかくすぐったい。



「嫌な夢でも見たか?」

「……そんなこと…」

「俺はサクラの夢をみたぞ」

「えっ…」




サクラは思わず目を見張ると、そのままサスケを見つめた。



……どんな夢か聞きたい……

でも……






「お前……」



不審そうな目に、思わず顔を背ける。




「寝癖」

「ふぇ…?」

「……はは。鏡見てこい。……ったく……かわいいな、サクラは」



けど、無防備すぎだ。と呟きながら優しくサクラの頭を撫でると、そっと立ち上がった。

咄嗟に、サスケの服の裾を掴むサクラ



「どこに行くの?」


「ミルクティーいれてやるから、はやく仕度してこい。出掛けたいんだろ?」



それは、昨日寝る前にした約束──




「ほら、待っててやるから」

「…うん!!」




『待っててやる』

その一言が、ゆっくりとサクラの心に入り込むと、途端にあたたかくなる



「待ってて!直ぐに準備するから!!」

「ああ」



サスケくんはここにいる。

ちゃんと私を待ってくれる。



よく考えたらいつものことなのに、《夢のせい》で…──

ううん…《夢のおかげ》で、シアワセな気持ちが、いつも以上に広がった。




ふんっ。と大きく背伸びすると、勢いよくベッドから起き上がり洗面所へ駆け込んだのだった──。



End

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