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審神者二人一組とし、分担・連携して調査をする。審神者一人に任せるのは、あまりに負担が大きいからだ。

審神者不在の間は、出陣は無し。内番と遠征のみとしている。出陣が無い分、休暇ともとれるだろうか。…この任務に着いて来てくれた二振りには申し訳なく思う…が、「僕達が着いて来たかっただけだよ」「そうそう。主は気にしなくていいぜ!」という。流石伊達男、かっこ良く決まっている。


そう、私が今回選んだ刀剣はみっちゃんこと太刀《燭台切光忠》と、さだちゃんこと短刀《太鼓鐘貞宗》である。

理由は…現代に馴染みやすそうだから…と言ってある。そう告げた時の薬研と厚の視線は忘れられない。もちろん、現代に馴染む見目になる術もあるが、もしもの場合も考慮してだ。今回の任務は初めての試みでもある。

…私が現代版刀剣男士に見慣れないというのも理由だが、超個人的過ぎるので秘密だ。黒髪、若しくは茶髪な一期一振とか鶴丸とか無理。


一番の理由は、みっちゃんとさだちゃんを組ませたかったからだ。さだちゃんは「みっちゃんと組んでいた頃は楽しかった」と言った。だが現状、みっちゃんは厨にいるか、高打撃編成による合戦場に出陣している。
一方さだちゃんは、遠征や夜戦・室内戦編成で鍛えている最中だ。


当然、同じ編成にするには無理があった。もう少し時間があれば出来るようになるだろう。

だが、今回の任務は、練度など関係の無い《調査》である。昼夜を考えての太刀と短刀を推奨したのだろう。それを踏まえても、これはチャンスだと思った。


幾つかある《物語の世界》の中で、私が割り当てられた《担当区域》は《米花》という土地だった。

はっきり言おう。

行きたく無いと!


…《米花》はとても知っている。ミステリーも好きだ。シャーロック・ホームズだって読んだ。…凶器に蛇が出て来た時は驚いたが。


だが《米花》は、犯罪率が高すぎる!犯罪係数振り切れている!簡単に執行モードに移行する勢いだ。
せめて…せめて《江古田》にして欲しい!



「主…じゃなくて、なまえちゃん、大丈夫かい?」

『ううっ、みっちゃん…』

「どんなに大変な所でも、俺達がついてる!」

『さだちゃん…!』



頼もしいよこの伊達男達め…!

支部から言われるがままに通されたゲート。通された瞬間に時間軸を飛ぶ感覚とは、また少し違った感覚に『これが次元を越える感覚かぁ』なんてのんきな事を考えていた時の自分が恨めしい。




「えっと…同じ担当になった審神者さんと合流するんだよね?」

『うん。挨拶して、今後の方針とかも話さないとね』

「どんな審神者なんだ?」

『うーん…若いらしいよ?』

「…ある、なまえちゃんも若いからね?」

『刀剣男士からしたら、人間なんて皆若いでしょ?』

「それはそうだけど…そうじゃなくて…」

『ま、合流するまでの間に、みっちゃんとさだちゃんは、私のことを名前で呼ぶの慣れてね』

「俺は慣れたぜ、なまえ!」



本当に頼もしい…!

この二振りがいれば、なんとかなる気がしてくるから不思議だ。うん、主頑張る。






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