ちゅぽっ、と音を立てて舌が引き抜かれた。
「どんだけ夢中で舐めてんの? そんなに美味しかった?」
 柳が笑いながら聞いた。美味いわけがないが、虎晴が名残惜しそうにしていて、柳が止めなかったら延々舐めていたに違いない。肩を掴んで虎晴の身体を起こし、唾液で濡れたその穴にローションボトルの口を突き立てる。
「んっっ……」
 胎内を満たす冷たいジェルの感覚に卯雨は背をのけ反らせて反応する。滝がなおも性器を咥えさせようとするのでベッドに顔を埋めて逃れた。
「……はあ、ごめん、ごめん、卯雨」
 虎晴はまた呟くみたいに謝罪した。それでも、優しく先導する柳の手に逆らうつもりはないらしい。卯雨の後ろの穴に熱り立ったそれがぴたりと寄り添う。
 緊張で卯雨の穴はキュンと窄まる。虎晴は狭くて暗い穴にゆっくりと身を沈めて言った。
「グゥ……うう……」
 意外にもすんなりと挿入った気がしたが、それは僅かだった。先端だけ辛うじて挿入ってつっかえる。童貞の虎晴は、低く唸る卯雨の声にも気づかず腰を押し付けた。それ以上進めなくて、卯雨の腰が持ち上がっただけだった。
「下手くそな虎晴かわい
 柳が呑気に言った。それから虎晴の拘束を解き、卯雨の腰を持つように手を重ねてあてがう。
「うさぎが逃げないように、しっかり押さえつけるんだよ」
 耳元で優しく教える。虎晴は素直に、卯雨の腰を掴んで自身を叩きつける。少しずつ無理矢理に、卯雨の身体はこじ開けられていく。

続く

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