「ふ……う、くっ」
「ゴホッうっごえっおっごぉっ」
 ガポガポという音と、苦しそうな呻き声が繰り返される。片方の呻き声は、どちらかと言えば悦を堪えるようだった。
 卯雨と虎晴の二人は同様に手を背中で括られていた。大きく違うのは、虎晴はベッドの淵に座らされ、ジーンズの前を寛げて性器を露出させている。一方卯雨はその前に跪き頭を押さえ付けられ、虎晴の性器無理やりに咥えさせられていた。
「虎晴くん、ちんこデカくて顔もイケメンなのに、ちんこデカすぎるせいで童貞だしフェラもしてもらったことないんだよね。かわいそすぎんだろ」
 だから咥えてね、と柳が虎晴の後ろから言った。
 そんなこと言ったら、ちんこは普通だし顔も普通の俺だってセックスもフェラもなんなら女子と手を繋いだことすらないのにちんこ咥えさせられて可哀想すぎると、卯雨は頭の中で反論する。実際には性器で喉を突かれてオゴオゴ言うだけだ。
「んうううっぐ、ウエッげほげほっおえええ」
「あー吐いちゃった」
 卯雨は息もできず、いよいよ死ぬかと思った頃、胃が爆発でもしたかのように込み上げた。一瞬鼻がツンとして、必死で顔を逸らしてゲロゲロと床に吐き出す。先の飲み会でちょっとつまんだ何かと一杯目のビールが混ざった汚物の臭いでさらに込み上げるが、それ以上戻すものはなかったらしい。
「もういい? 虎晴くんまだイってないんだわ」
「っや、だもう無理、むりむり無理っひっう、うったひゅけて」
 無慈悲な柳の言葉に全力で首を振る。救いを求めて滝の方を振り向くと、優しく微笑んだ。
「口でイかせんのなんて無理だよな?」
「む、むり」
「じゃあここ使うしかないな」
「ひっいいいや、そっんなのんんん……」
 滝は卯雨の尻穴をズボンの上から指でグッと押した。それから抗議する口を手で塞ぎ、ベッドに放り投げる。うつ伏せになってのびたカエルのようだ。それから下着を剥ぎ取られそうになって抵抗するが、今度は芋虫みたいで滑稽でしかない。そしてそんな抵抗をしたところで、下半身は顕になる。
「あいつのバケモノちんこは無理でも、俺のフツーのちんこならいいだろ?」
 滝はそう言って、卯雨の眼前であぐらをした。寛げた前から性器を出して、卯雨の唇に擦りつける。
 歯を食い縛って抵抗を示していると、後ろからぬるりと蛞蝓が這うような悍ましい感覚がした。普段晒される事のない後ろの穴を、虎晴が舐めているのだ。そうとは理解できず、気持ち悪さに気を取られていると滝に顎を掴まれ、無理やり性器を押し込められる。卯雨が奉仕する必要はなかった、滝が思いのままに腰を振って口内を犯したから。
 上からも下からもじゅぶじゅぶと水音が響く。特に虎晴は熱心に舐っている。これから自分のソレを挿入するのだから、せめて少しでも痛くないようにという気遣いを、卯雨は知る由もない。

続く

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