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ちょっと吐き出す物語
▽ゆめまくら
眠れない夜が続いた。ある晩、扉を叩く男がいた。日を越える深夜のことだ。
『眠れないなら僕を抱いて眠るといい』
なんという言い草と態度だろう。当たり前のように靴を脱ぎ、上着を脱いでベッドに座る。そして奴はおれの手を引き、ベッドに押し込む。
出て行け、不審者め。
そんな言葉を呑んでしまう。
奴はおれを抱き、おやすみと言い放った。溶けるように意識が失せる。
おれはこいつを知っている気がした。
お前は誰だ。
僕はバクだよ。
バクとはなんだ。
夢を食べる生き物だ。
夢とはなんだ。
君が見るものだよ。
君とは誰だ。
ハッと目覚めると朝が来ていた。腕の中に不思議な感触がある。そこには誰もいないのに、誰かがいたような感触だ。
夢のような枕を抱いた。そんな夜だった。
眠れない夜は尚も続いた。
自称バクの男は毎日現れた。
おやすみ、その言葉を聞くたびに、おれの意識は深くに落ちていく。とても名残惜しい気持ちだった。
自分よりも少し高い体温で、布団よりも少し硬く、柔らかい感触。自分の鼓動よりもゆっくりと大きな鼓動。どこか甘い匂い。
ずっと抱きしめていたいと願うのに、気が付けば朝は訪れていて、その頃には腕の中はもぬけの殻だった。
夢枕は夜明けとともに溶けていってしまうのだ。
バクを抱いて眠る夜は尚も続く。
もはや、夜が来るたびに彼を待っていた。
家の外を歩く音を、耳を澄まして待ってみても少しも聞こえはしない。それなのに、ある時突然ノックの音がする。
お前はどこから現れて、どこへ消えていくのだろう。
バクに引き倒され、ベッドに横たえる。
眠りたくなくて苦いコーヒーを飲んだ。馬鹿な話だ。眠るために眠らないでいる。それでもやはり、すぐに眠ってしまうのだ。
おれの夢を食べているのか。
そうだね。
おれは夢を見ているのか。
そうだね。
おれの夢はどんな味をしている?
少し甘くて苦いかな。
……どんな味だ、それは。
ふと、目が覚めるいつもの朝。
口の中が仄かに、甘くて苦い気がした。
夢枕は今日も溶けていない。
眠れない夜は続いていく。
朝が怖くなっていく。
今までは眠れないのが怖かった。今は違う。目覚めるのが怖い。
それでもバクは訪れる。お前のせいで眠れないのに。
おやすみ。
意識は溶けていく。口走る言葉は届いただろうか。
行かないでくれ。
ちゃんと言葉になっただろうか。
ハッと目が覚める。さめざめと泣く。しとどに濡れる、夢枕は。
「おはよう」
優しい朝を抱いた。
終わり追記2021/05/26 00:24
▽言い訳すると
ハッと目が覚める。待ち合わせは10時。電車は9:36発。今は9:23ですぐに出れば余裕だ。
歯磨きと顔だけ洗って鍵と財布とスマホを掴み、勢いよく部屋を飛び出す。
「……あ?」
じわり。股間に熱いもの感じたけれど、立ち止まってる暇はない。
「んん……」
何かがおかしい。電車に乗って揺られながら、身体の不調に気付く。特に下腹部。殊更パンツの中。
じわり、じわりと濡れていく感触。
待ち合わせの5分を前にして現地に着く。目に入るのは会社の同僚。今日の映画を誘ってきたのは彼の方。
「おはよ、はえーじゃ……」
あれ、と立ち止まる。
おかしい。じょわ、じょわと迸るなにか。
こんなの絶対、おかしい。
「う、あ……」
「如月……!」
動揺する俺、駆け寄る橘、広がる水濡れの円。
意思によらない失禁に、俺はなす術もなく膝から崩れ落ちた。
終わり2020/11/22 10:00
▽月の夜
月の明るい夜には狐の面を被ってくる。
「そんなに顔が見られたくないなら、新月の日だとかに来ればいいのに」
「それだとお前の顔が見れないだろ」
「ふふん、悪趣味」
人のことばかり見たいだなんて。
けれどこの人は俺の大事な太客なのでなんだってよかった。愛し、愛されるフリをして一夜を明かす。
「もう帰ってしまうの」
「ああ……」
肌蹴させた服を着直して男は帰る準備をした。
蝋燭の弱い光が、男の妖しげな面を照らす。笑っているのか泣いているのか、よくわからない面だ。
「たまにはのんびりしていったらいいのに」
男はいつも日が昇る前に帰ってしまう。どこかのお伽話のごとく、魔法が解けてしまうとでもいうかのように。
「今夜はよく喋るのだな。足りなかったか?」
「そうだね」
俺は起き上がり、男に抱きつく。身長差も体格差もあるから、男の首に手を回して無理やり俯かせた。
ちゅっ。
「こういうのも、くれたっていいんじゃない」
画面の上にキスをする。
身体を売って買うだけの関係でしかないのに、いつからか物足りなくなった。
もっともっと愛されたいと願う俺だけれど、男がどんなことを考えているのかは少しもわからない。
「あーあ、あんたばっかりズルいんだから」
普段しない甘え方をしたところで、男の身支度する手が止まるわけでもない。俺ばかり感情を晒しているようで不満が湧き上がるが、それを押し殺して布団に寝転ぶ。
結局、これは恋愛の真似事で、多くを望めば失ってしまう。欲しがったが最後、俺の負けなのだ。
「ばいばい、おやすみ。また来てね」
「そうするよ……」
金だけ置いて静かに出ていく。
月の明るい夜は嫌いだ。眩しくてしばらく眠れそうにもない。
終わり2020/10/02 00:28
▽理由
「崖まで歩いていくほどの元気はないが、もし誰かに崖まで連れてきてもらったら、俺は喜んでその一歩を踏み外すよ。時々苦しくて心臓がジリジリ痛くなる事があって、どういう時にそうなるのかわかっててそれに近付く事があるんだ。そのジリジリ締め付けられる感覚が、まるで首を絞められてるみたいに気持ち良くて、辛いのに好きなんだ。生きるに足る理由は無くても生きていけるのに、死ぬに足る理由が無いとなかなか死ねないんだ。きっとそこまで追い詰められてはいないんだろうね。こんな事簡単に口にすると誰かがすぐ怒るね。お前の簡単に手放した命は、誰かが死ぬほど望んだ命だなんて、だったらあげるから奪ってくれたらいいのに。そもそも生まれたところから間違いだったと思わない?」
半歩先の闇に踏み込んで笑った。
生まれてこれまでで最高の笑顔だった。
終わり2019/08/11 00:50
▽ポッピン☆シャワー
「うあ、やだ、やめて、やえてっ」
金髪の傷んだ髪を振り乱して喘い。膝立ちで仰け反りながら、後ろ手に拘束された手を握ってもがいている。
鍛え上げた腹筋がヒクヒク動いてもう限界のようだ。
「ほら、思いっきり、出しちゃえよ」
ズルズルズルーー!
「うっ……くああああっ」
どこに入ってたのかと思うほど、長く連なった色鮮やかなビーズが膨れ上がった性器先端から引きずり出される。
一緒に飛び出した液体は精子と言うには透明で、小便と呼ぶにはあまりにも快楽的で、中々途切れないそれを撒き散らしながら喘いでいる。
「ああっ……ああ……」
びゅるびゅると吹き出しているのは性器からだけではない。後ろの穴からもビー玉サイズのカラフルな球がコロンコロンと吐き出されていく。
射精する時は大概後ろの穴をキツく締めるから、それを無理やり排泄しようとイキんでいる。そうすると快感が長引くんだろう。
いやらしい身体はビクビク震え、虚ろな目は空中を彷徨う。
「上手に出来たじゃん。やり方覚えただろ? もう一人で出来るよな」
「んあああ……」
蕩けきった後ろの穴に中指を突き立て、前立腺をグリグリと押し上げる。ブリッヂするみたいに仰け反り、出すものが無いのか性器がひくひく揺れて、後ろの穴はきゅうきゅうと締め付ける。
「やだあ……」
快感でバカになった頭が、甘い声でねだる。
「峯にしてもらわないと……やだ……」
涙をこぼしながら訴えかける。ああ、そんな事言っちゃうんだ。随分と煽ってくれる。
「俺にしてもらいたい?」
「ん……」
「しょうがないな」
なんて言いながら、本当は嬉しくてたまらない。
「じゃあ今あげるね」
「あ……」
足の間に膝立ちして、自身を取り出す。柔らかいそこに当てがって、深く突き当たるまで押し込むのはいとも容易い事だった。
「ひっ……あっ……」
攣ってしまいそうなほど足をピンと伸ばして痙攣している。もうイった?あと何回イく?
「こっちにもあげようね」
「あっ、やだっ、それっ、んっ、くっ、うぅっ、う」
さっき抜いたばかりのビーズを再びプツプツと詰め込んでいく。
「もう一回、何度でもイかせてあげる」
「んあっ、く、あっ、ああっ、」
優しく抜き差ししながらビーズの先端を握って少し抜き去る。素直な身体は後ろの穴を強く締め付けた。
「かわいい、ほら、抜いちゃうよ」
「ああっやだっあ、やだっ」
ズルルッ……ビュクビュクビュクッ。
「いっ……あ……」
果てて痙攣するナカを押しつぶすように腰を振る。それから満足してナカに吐き出す。
気持ち良さそうに眠る彼にキスをして、そこでようやく俺は満足した。
終わり
2019/02/24 07:06
▽厨二病転生チート魔王2
チート魔王とチート勇者から産まれた子供は何になる?
まさか腐女子転生チートエルフ♂になるなんて誰も思わない。少なくとも、オレはカケラも思わなかった。
同じクラスの成績優秀、清楚な美術部の女子・鈴木さんが、「ひと狩り行ってくる」と♂のケツを嬉々として狙うような人だったなんて。
今は魔王城下にある森に住む白銀の狼に夢中らしく、幸せそうでなによりである。
「はぐっ……うっ……」
窓から雄大な景色を眺めていると、後ろで呻き声が上がった。床に崩れ落ちているそれの横にしゃがみ、泣き濡れた頬にキスをした。
「おお、勇者佐藤よ。こんなことで気絶するなんて情けない」
意識のない佐藤はびくっ、びくっと痙攣している。中でイっているんだろう。
ズルズルとケツから溢れ出ているピンクの粘液。オレの魔力を宿したスライムは、佐藤の直腸で無限増殖をしながら縦横無尽に佐藤を犯していた。
無意識下の蠕動運動では、到底スライムの増殖速度には追いつかなかった。
膨れていく腹を撫でながら佐藤に声をかける。
「佐藤? ほら、頑張らないとお腹破裂しちゃう」
「ぐえっ……あ、あっ、あっ」
弾力のある腹に力を入れると、スライムが押し出された。意識が戻った佐藤は目を見開いて俺に縋り付きながら、スライムをびゅるびゅると排出した。
「まあ、腹が裂けてもオレが魔法で治してあげるから安心しなよ。死ぬほど痛いだろうけどね?」
そう言って頭を撫でると、瞳はみるみる濡れて涙を零した。苦しいのか眉を顰めてフウフウと息を吐く。鈴木を産んだ時の事を少し思い出した。今の方がよっぽど辛そうだけれど。
「……ご、めんなさ……ゆるして、ゆるしてください……ごめんなさい、ごめんなさい」
突然に許しを乞い始めた佐藤にオレは首を傾げる。
「どうしたんだよ、佐藤。急に許して、だなんて。オレはもう、怒っても恨んでもいないんだ。ただ佐藤が苦しんで喘いでる姿が見てて楽しいだけだよ。佐藤だってその気持ち、わかるだろ?」
「あ……う、あ……」
言葉を無くした佐藤はスライムを放り出し、小水を漏らしながら、小さくごめんなさいと呟く。
きっと、似た事を言った前世の自分の事を思い出したのだろう。
「安心してよ佐藤。佐藤は痛くて辛い事ばかりしてきたけど、オレは佐藤に、辛くて苦しいだろうけど気持ちいい事しかしないから」
佐藤の少しやつれて細い身体を抱き、尻肉を手のひらで包んで割り開く。
「手伝ってあげるから、佐藤。スライムをたくさん産んでね」
「あっう、う、」
「出来るよね?」
「うっ……うあっ……あっ、くあっ、はあっ、はあっあああ」
泣きそうな顔で息んだ佐藤が愛おしくて、今世でなら好きになれそう。
「あああああっ……」
スライムを掻き分け自身を押し込み、最奥まで突き立てる。唇を重ねてキスをすると中が締め付けるのは、スライムのせいだけではないようだ。
「佐藤、二人目はスライムとのミックスにしよう」
なんて素晴らしきファンタジーライフ。
終わり
2019/02/21 12:54
▽手にてに
まるでシェイクハンド。右手を差し出して、ここに、と笑顔で促してくる。
なんて酷いやつ。振る舞いだけ見たら紳士的だった。こういうやつがいわゆる「変態紳士」なんだろうか。
「ッ……」
くそッ、という反吐を飲み込んでそこにあてがう。緩く勃ち上がった己の急所を。
残念なことに、俺の方が変態だったらしい。変態紳士の手に勃起したち○こを握らせているのだから。
あまつさえ、したり顔の紳士の顔に興奮しているのだから。
「ふ、あっ、あ……」
優しく動き出した手に身体が震えた。人差し指が裏筋をなぞり、手のひらに先端が擦り付けられる。次第に手の動きは止まって、俺は本能に突き動かされるまま腰を振った。
「あっあっあっあっ」
紳士の肩を掴んで、いや、もはやしがみついて絶頂を迎える。
泣きたいくらい気持ちいい。紳士の左手が俺の目元を拭った。どうやら泣いていたらしいから、泣けるくらい気持ちいいのだ。
泣かないで、なんて言いながら紳士の指が俺の先端をきつく指で撫でる。まるでち○こに言ってるみたい。
「……」
変態、という罵倒を飲み込んだのは、それが特大のブーメランだとわかっているから。
紳士もわかっていて微笑んだ。
終わり2018/12/04 10:11
▽ねつ
「ただいまー……臣都?」
遅い時間に帰宅するとリビングの電気がまだ付いていた。最愛の甥っ子がまだ起きてるのかと声をかけるが返事はない。
見れば、リビングのローテーブルに突っ伏して眠っている。顔の下にはノートを広げていて、そう言えば明日までの課題が終わっていないと話していた。
「臣都、風邪引くぞ」
「んん……」
肩を掴んで揺り動かしてみても起きる気は無いらしい。仕方ない、ベッドまで連れて行こう。
「ふふ、ノート顔についてる」
上体を起こさせると、ノートが頬にくっ付いてぺりぺりと剥がれ落ちた。頬には文字が裏移りしていて、可愛い模様になっている。
「臣都……う……」
お姫様抱っこしようと手を差し込んで、これはいかんと留まる。どうやら俺が思っている数倍にも、臣都は成長しているらしい。
「臣都、おんぶするから掴まって」
「んー……」
いつになく眠そうな臣都が唸るのを録音したい気持ちを抑えつつ、臣都の腕を回させる。眠って上がった体温が背中にぴたりとくっついた。
「よっ、とと……」
無理やり引き上げて、後ろに倒れそうなのを堪える。
かつて小さくて軽かった臣都をおんぶした記憶が蘇る。小さい手が掴まって、ぎゅっと抱き締められたことを。
「ん……」
俺の気持ちを読み取ったかのように、臣都がぎゅっと抱き着いてくる。
「あっ……」
思わず声が出たのは、腰に当てられた、ひときわ昂ぶった熱に気付いたからだ。
口を閉じて深く考えないようにした。疲れマラというやつだろうか。それにしたって、臣都だって当たり前に男の子で、勃起もするのだ。
普段、そんな素振りも見せないからすっかり忘れていた。臣都はいつ抜いてるんだろう。やはり気を使って出来ていないのか。それとも他所で、友達と、あるいは彼女に……。
「臣都、ベッドだよ」
「んう……」
「臣都……」
寝ぼけて抱き着いて離れない臣都が可愛すぎた。掴まっていた手を優しくほどき、ベッドに静かに押し倒す。
ドクン、ドクンと心臓が高鳴る。臣都のスウェットが窮屈そうに膨らんでいた。
こんなことしたら……いや、でもきっと寝苦しいだろうし……。
頭の中でたくさん言い訳をしながらスウェットのゴムに指をかける。中のボクサーパンツごとゆっくり下ろして、ぶるんと弾けるように臣都が顔を出した。
「っ……は、臣都……」
カッと身体中の熱が上がる。臣都のこんな姿を見たのは初めてだった。もう一緒に風呂に入ることも無くなってしまった。
可愛い臣都が熱く滾らせている。
「臣都……」
臣都のそれを、親指と人差し指の間の股で触れた。ゆっくり人差し指と親指を付けて輪にする。それから右手で、締め付けないように握った。
手の中の熱と重さに感極まって泣きそうになった。立派になって。こんなに素晴らしいものを。臣都。俺の可愛い臣都。
「……臣都、ごめんね」
謝ってから口を開き、臣都を迎え入れた。舌で支えながら、なるべく深くまで咥え込む。
フェラチオなんて当然した事がなかった。けれど、臣都のものだと思うと躊躇なく受け入れられたし、なんなら一生しゃぶって暮らしたいくらいだった。
そんな馬鹿なことを考えながら頭を動かした。臣都の味が口いっぱいに広がる。可愛い臣都の息が少し上がっていた。
「んっ、ふ、はっ、んん、」
意外と体力のいる行為に、思わず俺の声が漏れていた。臣都を起こしてしまうかもしれない。でも、なんとしてもイかせてあげなくては。
よくわからない使命感に駆られ、臣都を舐る。一際硬くなって、臣都の声が上擦る。
「ん……んっ、んっ」
指で根元からきつく扱き上げ、臣都を吸い上げると震えながらビュクビュクと果てた。
口の中で臣都の精子を味わう。これが全て臣都の遺伝子達なのだと思うと愛おしさしかない。
ゆっくりゆっくり飲み干して、この上ない満足感を得た。
後片付けをしてトイレに篭り、一人で慰める。なんだか今日は臣都を汚したくなかった。
口の中で果てる臣都を思い出しながら手の中で果てる。二、三度抜くまで、熱は冷めやらない。
@oioji_
すげーー気持ちいい夢を見た。十中八九夢ではない
多分2018/07/06 07:20
▽かお
「ただい……臣都? どうしたんだ」
仕事を終えて家に帰ると、リビングのソファーにパンツ一枚で寝そべる臣都が目に入る。
目と額を隠すように白いタオルが乗っていて、寝ているのか起きているのかはわからなかった。頬や身体は赤く見えた。
「臣都?」
ソファーの脇に座り、臣都に声をかける。意識はあるようで、タオルは乗せたまま上に向けていた顔をこちらに向けた。
「ん……のぼせちゃって」
「そっか」
どうやら風呂に入ってのぼせてしまったようだ。そういえばどことなく、シャンプーとボディソープの甘い匂いがした。
大事には至らないようでホッとすると、今度は違うところが目についてドギマギしてしまう。
日に焼けない白い肌に、プツンと尖った胸の突起。淡く赤いそれが、ひどくいやらしく見える。
美味しそうーー小さなその粒を口に入れたい。下で潰して転がして、きっと甘くて酸っぱい。
そんな妄想からハッと目が覚めたのは、臣都が俺の手を掴んだからだ。
そうして臣都の頬に手が導かれ、手のひらでそっと包むように触れた。
「冷たくて、気持ちいい」
はらりと落ちたタオル。熱で濡れた瞳が俺を見つめた。
「ーーっ、水、取ってくるから」
「ん……」
思わず手を振りほどいた。
臣都の熱に当てられて、俺までのぼせてしまいそう。
@oioji_
俺に触っただけで勃つとか、叔父さん日常生活に支障をきたすレベルで俺のこと好きすぎ2018/06/29 00:03
▽て
今日はやけに暑くて、タオルケットも隅に追いやり、だるそうに腕を投げ出している。汗をいっぱいかいていて、寝苦しそうに度々唸っていた。
ピッ。クーラーの電源を付けて涼しい風が吹き始める。
クーラーなんて好きに使ってくれていいのに。居候だからと、遠慮しちゃって。
「んん……」
寝返りを打った臣都(オミト)。額に汗でへばりついた前髪を払ってやる。少し暑さが和らいだのか、眉間に寄った皺も無くなった。
「……臣都」
小さく囁いて、こめかみにキスを落とす。可愛い甥っ子は目を閉じたまま目覚めそうにない。
「ごめんね」
いつもみたいに小さく謝って、ズボンのチャックを下ろす。仕事が終わって帰ってから、まだ風呂に入っていないから蒸れている。そんなものを、おもむろに取り出す。
緩く勃ち上がったそれを、投げ出された臣都の手のひらにあてがう。背徳感が後押しをして興奮させる。手に置いただけで硬くなって先走りを零すまでに。
「……ごめん、ごめんね、臣都、ごめん」
小さく謝りながら臣都の手に擦り付ける。握りも、払いもしない眠ったままの臣都に先走りを染み込ませる。
こんな叔父さんでごめんね。ここ以外に行くところがないのに。変態の趣味に付き合わせて。夜な夜な握らせて。性的な目で見て。せめて寝ている間だけにするから。
「うっ……」
少し曲げた人差し指に、穴を擦り付けて果てた。ビュルビュルと止めどない精液が臣都の手を汚す。
はーはーと落ち着かない息をおさえながら、臣都の手をティッシュで拭った。
可哀想な臣都。俺以外に身寄りがいないなんて。こんな変態に養われるしかないなんて。
こんな男に好かれてしまうなんて。
「ごめん、ごめんね、臣都」
熱を放った臣都の手のひらにちゅっとキスをして、それから風呂へ向かう。
罪悪感がこみ上げる。それでも、彼が出て行くと言うまで、手放す気は無い。
ダメな大人だと自己批判しながら、許されない行為を繰り返す。聞こえないように謝りながら。
「ごめんね、臣都」
『@oioji_
叔父さん最近尿道好きみたい。開発してあげたい』
人知れず青い鳥が飛んだ。2018/06/27 20:32
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