【恋人未満彼氏正月ネタ】



「……あ、そうそう。ねえ、年賀状どのくらいもらった?」


新年の初詣も終え、(菊丸君ちの)居間でのんびりとテレビを観ていた時に不意に、菊丸君は切り出してきた。


「年賀状?えーと、菊丸君たちと……クラスの友達が何人か……だから、7枚くらい?」


そう答えると菊丸君は、にーっこり笑顔を満面に浮かべているのに何故かややテンションの低い声で、こう続けた。


「じゃあさ、そのもらった年賀状の送り主にさ、年賀状出した?」


「………………」


うむむ、なんというか……菊丸君の笑顔が、珍しく薄ら寒い。そんな、不二君じゃあるまいし。
しかしこのような笑みをたたえているということはつまり怒ってるということで、要は……。


「俺、もらってないんだけどにゃ?」


こういうことだった。


「えーと……そりゃあ、まあ……出してないしねえ」


「いや、出してよ!出そうよ!さては書いてないなあーっ」


見事正解を叩き出してくれた菊丸君は、私の頭をべしべしと叩いてくれた。痛い。


「えー、てことは何?つまり不二にも書いてないの?」


「いや……」


チラリと不二君を見ると、クスリと笑みを浮かべられた。
そのやりとりを見た菊丸君は案の定「えっ!ウソ、不二には書いたの!?不二にだけ?不二にだけは!?」とかなり嬉しそうに言うのだが。

……そんな菊丸君の期待を、私はすっぱりさっぱりと裏切ったのだった。


「不二君からは、そもそも届いてない」


「………………………………………………不二ーっ!!」


今年も、私と菊丸君と不二君の仲は変わりないであろうことが約束された気がした。

そして。
あけましておめでとうございます。



end

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