現パロ風
アッシュ、
もしも、俺に…
俺たちに“もう一度”があるなら、
そのときは――…‥
「っ!!」
「あ、やっと起きたなアッシュ。」
珍しいよなアッシュの寝坊、そのルーク台詞、今月になって何回目だろうか。
最早、珍しいとは言えなくなってきていることに、言いようのない不快感を覚えた。
「…そういうお前は、最近早起きだな。」
ルークは本来、なにもない土日休みは、限界まで寝てるような奴だった。
なのに最近は平日と同じような時間に起き出すから驚きだ。
「うーん、そうだなぁ。」
ルークは腕を組み、悩む仕草をしたがなかなか答えが見つからないようで、視線がさ迷っていたが、腕をほどくと自分の掌を眺め、そして俺を見た。
「少しでも、アッシュとの時間を共有したいから…とか?」
「殆ど一緒にいるじゃねぇか」
「もっとだよ。」
少し目を伏せる表情は、最近よく見かけるようになった気がする。
この顔を見ると、どうしてか物凄くもやもやとした気持ちになる。
まるで―――
「なんてねー!!」
「……。」
先の表情から一変し、明るい顔をするルークに思わず脱力してしまう。
あぁ、もうこいつときたら。
よし殴ろう、決めたら有言実行、即実行。
真っ直ぐ指を揃えて目標目指して垂直に振り下ろす。
ごすっ、と鈍い音がしてルークが頭を抑えこんだ。
所謂、チョップと言うものだ。
「いってぇ!!何すんだよ、アッシュ!!」
「うるせぇ、てめぇが離れようとしても俺が離してやらねぇよ。」
「!?」
「お前を1人にはしない。」
「え、ちょ、アッシュ…さん?」
まさかここまで分かり易く言っても、この馬鹿には伝わっていないのだろうか。
あぁ、信じられない。
こうなればもうやけくそだ。
ルークの襟元を(少々乱暴だが)掴み、自分の方へ引き寄せる。
間抜け面を晒しているこいつの唇に噛みつくようにキスをした。
「てめぇは俺だけ見てりゃあいいんだよ、」
「この屑」
「!!!」
――さぁ、永遠に手を繋いで
- - -
おそらく兄弟な2人で、覚えてるルークとなんとなく覚えてるアッシュ。
そのせいでなんとなくアッシュに引け目のあるルークみたいな。