エースと夏休み1日目


「プール行こう!」
「しょっぱなからか!いいね、行こう!」


今日から夏休みです。終業式のあった日エースととある誓いを立てました。それこそ“はじけろ!夏休み!”。つまり死ぬほど満喫しようぜってことです。勉強?そんなもんは二の次ですよ。

そして自転車で道を駆け抜けバスに乗り電車に乗り歩き、ようやく大きなプールに辿りつくのでした。


「あ、結構水あったかいね」
「もうお昼近いからな」


そっとつま先をつけてみれば予想と違いだいぶぬるい水。キャー冷たい!ってエースに水ぶっかける予定だったのにこれは大番狂わせ。ちなみにエースは泳ぐのが下手なので浮き輪持参。


「うおー!結構深い!おい、どっちが長く息止めてられるか勝負しようぜ」
「おっしゃあ!負けないよ!」


家でもできるであろうことをここにきて全力でする二人。しかしこうしてくだらないことにも命を懸けるが如く取り組むことこそエンジョイへの道!


「ぷはっ」


息の限界がきて水中に顔を出せば浮き輪にはまりながらまだ潜っているエース。そしてむくむくと湧き上がるいたずら心。


「ふがっ!あばばばば!」
「ぷぷ」


優しく。やさしーく頭を押してみた。そうしたら驚いたのかぶくぶくと口やら鼻から泡が次々と出てくる。まあやられてる本人はつらいだろうからそろそろ手を放して…ん?


「ぎゃー!ごぼぼぼっ」
「くらえ!バックドロップ!」


するりとお尻に手を回されてなんだろうと思ってたら視界が反転。気が付けば逆さまになって水中へターン決めてました。っていうかなにこれ!鼻に水が!


「め、目頭がァァ!ひぃ頭まで痛い!」
「ざまあみさらせ!仕返しだバーカ」
「大人げないよエース!」
「まだ高校生ですー」


バックドロップされたときやつの力が強すぎてそこに頭ぶつけたのは内緒にしてあげる。これが残された私の優しさ。


「ねえあっちの流れるプールとかウォータースライダーとかやりたい!」
「いいな!おれもやりたい!」


このあとも周りが引くくらいプールを堪能してきました。お互い日焼け止めを塗り忘れて帰るころには真っ赤になってしまいましたがそれも夏休みを満喫した人間の痛い勲章なのです。




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -