怪力女とマルコ



パリーンという音が食堂に響いてみんなが振り返る…と思いきや誰も振り返ることなく和気藹々とした雰囲気で食事の時間は進む。


「おいだから力加減に気をつけろって言ったんだよい」
「す、すみません!」
「はあ…。ジャムの瓶が粉砕された…。ただふたを開けようとしただけなのに」
「こ、これでも気を付けたんです。シャボン玉に触れる時のような繊細な気持ちで…」
「そのわりには木っ端みじんなんだが?」
「あ、でもこうやって啜ればジャムもまだ食べられます」
「お前は犬か!やめなさい、ガラスがまだ飛び散ってるんだ」


あゆむがこうして物を破壊するのなんて日常茶飯事だ。そう、この女…なにを隠そう馬鹿力なのだ。本当に馬鹿。本人は加減しているというが正直疑問しかない。以前だってリンゴ持ってきました!って言ったはいいが持ってきたはずのリンゴは手の中でつぶれていた。持ってきたのはリンゴじゃなくて生ごみと化したリンゴだ。


「そういえばサッチが髪を結んでみたいとか言ってたな」
「あ、じゃあ私がやって差し上げます」
「やめろい。サッチの髪がなくなる」
「ふつうにひどい!」




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