CP9と隣人2

「このサンドイッチおいしいですよ」
「わしはどちらかといえば肉のほうが好きじゃからな。そんなパンでは腹の足しにならんわい」


今日はカクさんとランチに来ている。昨日スーパーからの帰り道偶然カクさんに会って今日の約束をした。ちなみにカクさんの手にもスーパーの袋がぶら下がっていて、私のよく行くスーパーよりずっと遠くにあるスーパーのロゴが入っていた。たしかあのスーパーはよく特売をしていて常に安くたくさん買えるお店だったと思う。安いのはいいけど遠くまで行きたくない私は一番近いスーパーで買い物をしている。


「カクさん昨日ずいぶん買いこんでましたね。まとめ買いしてるんですか?」
「いや、あれは一食分の食料じゃ」
「え?」


え、ちょっと待って。だって昨日両手合わせて4袋くらい持ってましたよね?なんなの、みんな人の形をした牛さんなの?いったいどんな食べ方をしたらそんなに入るのだろうか。


「み、みなさん大食いなんですね…」
「よく食べるのはわしくらいであとはわりとまともだと思うぞ」


正直この人たちのまともは全然まともじゃない。まともな人間は週2ペースで窓ガラス割ったりしないよ。おまけに時々獣のような声まで聞こえてくる。猫なのか犬なのかもっと別の生き物なのか。夜中に聞こえることが多いからもしかしたら新手のいびきかも。


「わしは2袋分くらい食ったな」
「カクさんの胃袋だけ異常すぎやしませんか」
「なにを言うとる。わしは食べ盛りなんじゃ」
「それを差し引いてもの話です」


この人たち、CP9の方々と話しているとたまに自分がおかしいのではと思うくらい間違ったことを常識ですみたいに言うから困る。だってカクさんってもう23歳だよね?私の周りの二十歳越えはそんなに食べないよ…!


「そういえばごはんって誰が作ってるんですか?カリファさん?」
「うちは交代制じゃ」
「交代制…?じゃあルッチさんやジャブラさんも作るんですか?」
「当たり前じゃろう」


当たり前といわれましても、その当たり前がちっとも想像できません。特にルッチさん!いったい彼がどんな料理を振る舞うというのか。


「ルッチが夕飯つくるとジャブラが猫まんまだと言っていつも喧嘩になるんじゃ」
「…そりゃルッチさんじゃなくたって怒りますよ」
「しかしルッチが怒ると手がつけられなくてな。そのたび指銃の斑だ黄蓮だをテーブルにするもんだから一週間で買い替えじゃ」
「家具屋もびっくりですね。またこいつらかよって。死人が出なくてなによりです」
「みんな鉄塊しとるからな」
「…まともとはほど遠いですね」


以前夕飯を一緒にどうかとカリファさんに誘われたことがあった。あの時は用事があったからお断りしたけど…してよかったかもしれない。もしその日がルッチさんのご飯当番だったら死人が一人出たかもしれない。…誰とは言わないけど。


「そうじゃ。今度うちへ夕飯を食べに来ないか?」
「…ルッチさんの当番じゃなければ」
「ならわしのときにしよう」
「カクさんの?」


カクさんの作るごはん…。これも想像できない。


「カクさんはどんなご飯を作るんですか?」
「いたってまともじゃ。量は一人10皿ほどかのう。残したら嵐脚というルールはあるが」
「死は免れないようなので遠慮します」





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