ナミが逆トリップ

「あ、今日は雨か」
「待って」
「え、な、なに?」
「この予報は嘘ね。今日は1日晴れよ」
「そうなの!ありがとう」


何週間か前に一人の女性と出会いました。仕事帰りに呼び止められおなかがすいたと宣言され。まったくの見ず知らずの人だったけど女性だしなんだか妙に気になったのでご飯をごちそうしたら、その後もまた興味深い話をしだした。

どうやらこの女性、ナミというらしいけど、別世界から来たようでもちろん半信半疑だったよ。どこの世界にいい大人がこことは異なる世界からやって来たと唐突に言われて信じるでしょうか。でも目の前で自在に雷だの雨だの降らせ始めたら信じざるを得なかった。
ナミはナミで当初はこちらを警戒していたのだけど、まあ当然といえば当然か。

それからは私の家で生活することになりました。異世界から来たというくらいだしご飯などの多少の文化の違いはあれど、これといった支障もなく暮らしています。

そして彼女の天気予報は最強です。


「まったく、天気を予想する機関がこんなに予報を外していいのかしらね」
「そうだね、でも結構外れることが多いよ」
「信じられない!私ならこれくらい百発百中よ」
「なんなら気象庁に就職すれば?」
「絶対いや!私は海賊で、航海士なんだから」


そう、何をかくそう元の世界で海賊なんてものをやってるらしい。こちらにも海賊はいるけど、話を聞く分にはだいぶ違うようだ。
なんといってもナミの仲間たち、それに敵も能力がなんかおかしい。銃弾食らって跳ね返すってどういう人体構造したらそうなるの?


「あ、もう行かないと!今日は晴れるんだよね?傘は置いていこうかな」
「今日の夕飯はオムライスでいい?」
「オムライス?やったぁ!ありがとう」
「なにいってるの、もちろんお金もらうに決まってるでしょ」


今でこそ当たり前のやり取りだ。最初は本当に金をとるのかとビビッていたけど。それにじゃあ家賃払え!って言ったら家の中でトルネードが起きたのでそれ以来言っていない。


「じゃあ行ってきまーす」
「はいはい、気を付けてね」


ナミの作るご飯はおいしい。仕事は面倒くさいけど夕飯を楽しみに頑張ろうかな。






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