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一度気になるとその疑念が晴れるまでずっと気になってしまうのが人間の心理であり短所でもあると思う。追究することは悪いこととは言わないが、時と場合にもよると思うのだよ。ちなみに現在の場合悪いほうだと思う。
ただ仕事の帰りが遅くなっただけでなんだとも思うんだけど、マルコさんは仕事人間っぽいし分からなくもないけど、それ以外の可能性も捨てられない。まさか浮気なんてするような人じゃないはずだが。う〜む。


「やっぱり人間経験だと思うんですよね!」
「なんだいいきなり」


さすがに本人に「浮気してるんですか?」とは聞けないし…っていうか私ってばまるでマルコさんが浮気しているかのように言ってるけど、それは最後の選択肢であって、というよりもそうであってほしい。つい先日まで初恋すらしたことのなかった人間に今の状況などわかるはずもなく。それとなく聞いちゃう?


「マ、マルコさんって浮気ってどう思います?」
「ずいぶん唐突な話題だな」


あばばばば…!完全に聞き方間違えたよね!もう少し他に聞き方なかったの?あーっマルコさんがすごい怪訝な顔してこっち見てるぅぅ…!


「浮気ねェ…」
「ふーっ…ふーっ…」
「aaa、鼻息が荒い」
「はっ鼻息!?きょっ今日は鼻が詰まってたから鼻の体操を…!」
「なんだいそりゃ、初耳だ」


そりゃあそうでしょう。鼻が詰まってる時の鼻の体操なんて聞いたことも言ったこともありませんでしたからねェ。たぶんもう一生使うことのない言い訳だと思われます。ってそんなことはどうでもいいんですよ…!


「う、うきわ…!」
「まあ浮気なんて時間の無駄だろい」
「む、むだ?」
「そんなことしてる時間があるならオヤジたちと飲み明かすほうが有意義だ」


オヤジ、とはマルコさんの会社の社長さんの愛称みたいで、ものすごく仲がいい。なんていうか…答えがマルコさんらしい。


「で、それがどうかしたのかい」
「いいいいえいえなんでもないです!ちょっと人間の心理について追究してただけですから!アダムとイヴはなぜ禁断の木の実を食べたのか!キリストがしたことは間違っていたのか…!」
「…お前すごく頭悪そうだな」
「どこが!?」
「すべて」
「ショック」


あれ、ちょっとまじめな話していたような気もするんだけど、結局はそういう流れになるの?うん、マルコさんは浮気なんてしない。そう信じよう。






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