HQ!! ↓続き 烏野2年と2年マネージャー 小ネタ
※同学年のマネージャーがビビり過ぎてなんかおかしい。
(体育館に関して捏造あり?)
田中
ドンッ! べちゃっ!
「うぉ!わり「うわぁあああごめんなさいいいい!ノロノロ片付けしててごめんなさいいい!ぶつかってごめんなさいいいい!」
「ちょ、おま! まだなんも言ってねぇだろ!?」
「すみませんんん!」
謝り倒す彼女はぶつかってこけてへたり込んだままで、このまま自由にさせていたら延々謝られ続ける事は目に見えている。
へたりこんだ彼女と同じ目線まで腰を下げる。所謂ヤンキー座り。
「あ゛ーもー!ちょっと黙れ!」
「っ!・・・・(べそべそ)」
「俺が前見てなくてぶつかったんだよ、悪かった! で、怪我ねぇか?」
「・・・(べそべそ)」
「(イライラ)」
「・・・だ、大丈夫(べそっ)」
ぽつり、小さな声でそう言うので、タオルでグチャグチャと顔を拭いてやる。
「わわっ!」
「なら、もう泣くなよ」
手を止め、タオルから手を離すと、涙を堪えた瞳をのぞかせる。
「立てるか?」と手を差し出せば、こくりと頷きその手をとる。
少し震えていたのにはこの際気付かなかった事にする。
ふぅとため息をつくと、彼女の手に収まったタオルでもう一度ぐしぐしと顔を拭い、くしゃりと目を細めた。
「あ、ありがとう」
いつも眉を下げ、目に涙を溜めた表情ばかりだけど、本当たまーに笑う。
その笑顔が凶悪にかわいいから困る。
いつでも笑わせててやりてぇなぁ。
それは部員全員の総意である。
西谷
「よぉ!」
背後から声をかけられればびくぅ!と肩が揺れる。
おどおどしながらも声の方を振り向く。
声の彼と視線が合えばほっと息をついた。
「に、西谷くんかぁ」
「久しぶりだな! どうだー? 俺がいなかった間も頑張ってたか?」
「う、うん! ど、どうかな?」
くるりと1回転。スカートの裾が揺れる。
そして・・・、訳のわからない決めポーズ!
顔は真っ赤。
その様子を見ながら西谷は腕を組み容赦なく言う。
「うん、全然駄目だな! なんていうか、全く成長してないな!」
「(ずーん)」
肩を落とす彼女に西谷はポンポンと背中をはたき、頑張れよ!と笑った。
「やっぱり、私には難しい、のかなぁ…」
遠巻きに見ていた部員一同は、あの意味不明な決めポーズによって動きが固まったまま。
どうした、2年マネージャー!!
縁下
HRが早く終わり部室へ向かう。
「え、縁下くん、あの、(バスケットゴール出たままだから、しまってほしいんだけどって言うだけ、大丈夫!)」
「何かよう?」
「え、いや、やっぱりだめだぁあああ!自分で何とかしますうううう!」
「え、え!?(僕何かした!?)」
「うっうっ!(何かよう?僕は用ないんだけど?って言われた!)」
被害妄想もいいとこだという解釈をしてる・されてる事にはお互い気付く事が出来ないまま。
縁下が着替えを済ませて体育館に入ると、ピシリと体が固まった。
目の前には体育館の壁によじ登った制服姿の女子。
壁の格子につかまったまま微動だにしない。
「だ、大丈夫?」
「え、縁下くん…だ、だいじょうぶくない…(べそっ)」
駆け寄って声をかければその人物は案の定マネージャーで、涙目でそう答えた。
「もしかして、降りられなくなった、とか?」
彼女はがくがくと頭を縦に揺らす。
その衝撃で格子が揺れ「ひぃいいい」と悲鳴が漏れた。
「ど、どうしようか…」
策を考えていると、ガヤガヤ音を立て西谷と田中がやってきた。
3人いればとほっと胸をなでおろしかけた時。
「お!何だ力!マネージャーのスカートの中堂々と覗いてんな!」
「ち、ちがっ!」
「ノヤっさんありゃ、「ドン!!」
田中の言葉をさえぎるように落下音と振動がした。
先ほどまで壁で震えていた彼女はもうそこにはいなくて、横を何かが走り去っていく。
「(ぱんつみられたぱんつみられたぱんつみられた!!!!)」
真っ赤な顔したマネージャーが駆けて体育館から出ていく後ろ姿が見えた。
あまりの速さに3人とも立ち尽くしていた。
事件は解決したけれど、新たな誤解が生まれたような気がして縁下からため息が漏れた。
「…彼女が走っていったときに見えたと思うけど、彼女、ハーフパンツはいてたから!
降りられなくなってたとこ、助けようとしてただけだから!」
「わかってるぜー」
「え?」
「ああなったアイツにはあぁ言うのが得策だぜ!恐怖より羞恥の方が勝つみたいだからな!」
prev /
top /
next