HQ!! 烏野3年と2年マネージャー 小ネタ
※1コ下のマネージャーがビビりすぎて困る。
大地さん
「おーい!」
「はいいいい! なななんでしょう?!」
片付けの途中に声かけたのが悪かった。
手に持っていたボールがゴロゴロと転がっていく。
「そんなにビビらなくてもいいだろ?」
そういえばすみません、すみません!と泣きそうになりながら謝るのだ。
もう1年も顔を合わせているのに一向にこいつのビビりは治らない。
ため息をつきながらボールを拾い集める。
結局すみませんと謝り続けている。
「で、俺の奢りで今から全員で肉まん食いに行くから、一緒に来いよ」
「え!っと、だ、大丈夫です! 皆さんで楽しんできて下さい!」
怯えながら、後ずさりしながらそう言われ、笑顔を浮かべる。
「先輩の好意を無駄にするのか?」
「いいいいえ! 行かせていただきますっ!(ヒィイイイ!怖い!!)」
再び涙を浮かべ始めた瞳を見て、自分の中の加虐心が擽られるのを感じた。
菅さん
「ま、またやってしまった…」
肩を落としてしょぼしょぼと下を見ながら歩く後輩。
励まそうとポンポンと肩をたたくと飛び上がるくらいの勢いで身体が跳ねる。
その姿に苦笑を浮かべているとぎこちない動きで後ろを振り向く。
「す、菅さんですか…おどかさないでくださいよぉ;」
「悪い悪い! で、なんかあったべ?」
「あ、いや…。いつも通りな感じで…大地さんに…」
「なら大地も気にしてないから大丈夫だべ。 元気出せー」
「ずがざぁあん!マジ天使!!」
鼻水までたらし始める後輩。
苦笑交じりによしよしと頭を撫でると勢いよく胸に飛び込んでくる。
・・・それを身長分長い手のリーチでおでこを押さえ、なんとか止める。
「すみませっ!また勢いで!!」
「涙と鼻水拭いてからな?」
はっ!と一瞬体が止まったが急いでティッシュを取り出し鼻をふく。
涙は俺が指で拭う。
「おっけー」
そう言えば「菅さんマジ天使!」と言いながら抱きついてくる。
その言葉には苦笑しかもれないが、これは役得。
ビビりなのにこうやって抱きつく事には何とも思わないのが不思議だよなぁ。
旭さん
「あ゛ざびざーん!!」
「うおぉおお!」
バレー部復帰が決まった途端、号泣する後輩マネージャーが駆け寄ってくる。
西谷や菅とは違った復活の喜び方?で、しかも女の子で、目の前で泣かれて。
自分よりずいぶん低い位置にある頭を撫でたらいいのか?
大きな瞳からこぼれる大粒の涙をぬぐってやったらいいのか?
どう対処していいのかわからないからさっきからしどろもどろ。
そんな俺を無視して彼女はぐずぐずの鼻を啜りながらいう。
「戻ってきてくれて、ホントにうれしい、ですっ」
「ハハハ…ありがとな」
ジャージの裾が小さな手にぎゅうとつかまれる。
「もう、いなくならないで下さい。
旭さんがいない間、すごく心細かったんです」
それは何だか好きだと言われているようで、頬がカッと熱くなる。
目の前に意識が集中していると、急に背後から肩を掴まれ飛び上がる。
「・・・ひげちょこ、ちょっといいか?」
「は、はいいい!」
同種のビビりな人がいると落ち着く。それだけ。ただそれだけ。
深い意味はない。
潔子さん
「お疲れ。 いつもありがとう」
「…(だばぁ)」
号泣。
「泣かないの」
「はいいいい!!(潔子さんマジ女神!神々しすぎる!)」
あいつあんな性格なのに、なんでバレー部のマネージャーになったんだ?という疑問。
旭「中学まで女子バレー部にいたとかじゃないのか?」
菅「なら女バレいくべ?」
大「あいつ、バレー経験なかったぞ。 1年の頃ルールすら知らなくて清水が教えてた。
そこに潔子さん登場。
大「清水はしってるか?」
清「…私が好きだから」
さらりと言い放った言葉に男子3人が固まる。
普段の様子を見ている限り、違うだろ!と一蹴できない話である。
清「・・・冗談。 私も知らない」
冗談だという言葉にほっと胸をなで下ろす。
男子3人「で、本当はなんでだろうな?」
その疑問はしばらくは解けない。
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