01



コケコッコー!!!



「は、はひぃ!?」


はひ…突然聞こえた大きな鳴き声に、思わず飛び起きてしまいました……とってもデンジャラスなモーニングです…


「この鳴き声は隣の木村さんの家のニワトリさんですっ」


…でもなんだかとっても気分が良いです。やっぱり、新しい恋が芽生えたからでしょーか!


「はひー…雲雀さんカッコいいですーっ♪」


ごろん。再びベッドに寝転がって枕を抱きしめる。この枕が雲雀さんだったら良いのに…


「むきゃーっ!考えるだけでもドキドキですっ!」


でも、いつかはこれを現実に――…そう!ハルならできます!ノープロブレム!


「よーっし!今日から雲雀さんに猛アタックですよ!名付けて雲雀さんメロメロ大作戦!!」


そうとなれば、さっそく準備に取り掛からねば…アタックならツナさんの事がありますから慣れている、はず!


「まずは未来の妻に必要不可欠な家庭的な面を、雲雀さんに見せ付けましょー!」


おーっ!と一人叫んで、パジャマから私服に着替える。もちろん、雲雀さんが気に入ってくれるような可愛らしい勝負服だ。


「ハルは何があっても負けません!雲雀さん、勝負ですっ!」


燃えさかる炎のようなオーラを身に纏い、ハルは決意する。こうして、どこかズレているハルの「雲雀さんメロメロ大作戦」は始まった。



 ◇



「んしょ…っ」

「おや?ハル、どこに行くんだい?昨日作った着ぐるみなんか持って…」

「お父さんには関係ないでしょー!ちょっとツナさんの家に行くだけっ…」


昨日夜なべして作り上げた屋形船の着ぐるみを着て、鏡を見る。…よし、完璧ですっ!…はひ。屋形船の先っぽが壁にぶつかっちゃいました。


「いってきまーす!」

「はいはい…いってらっしゃい」


お父さんに見送られて家を出る。とりあえず、ツナさんの家に行って文化祭で使う着ぐるみのチェックをしてもらいましょー。そのついでにビアンキさんに恋愛相談をしてもらって…その後は……さっそく雲雀さんにアタックです!あ、そうだ!雲雀さんに屋形船見せたら喜んでくれるかも…


「はひー…なんだか楽しみになってきました!」


気付けばツナさんのお宅に到着!ガチャリとドアを開けて「お邪魔しまーす」と声をかけたが、無反応。なにやらツナさんの部屋で物音がします…


「とりあえず行ってみましょー!」


バタバタと音をたてて階段を登る。もう何回もお邪魔してるから間取りはしっかり頭に入ってるんです。


「ツーナさん!見てください!」


満面の笑みを浮かべて扉を開く。なんていったって、この屋形船の気ぐるみはハルの自信作ですからね!


「文化祭の演劇で、ハル屋形船やることになったんです!」


自信満々にそう言ったはいいものの、ツナさんが反応してくれない。あれ、おかしいです………はひ?あのベッドに横たわってるのは誰でしょーか?しかも、背中に何か血のようなものが……


「あ、ツナさん達も劇の練習ですか?すごーい!リアルな死にっぷりですー!」


ハルがそう言うと、ツナさんはシリアスな雰囲気で泣きながら言いました。


「オ…オレが本当に殺しちゃったんだ」

「はひっ!?」


突然告げられた事実に思わず後に倒れこむ。衝撃で、一生懸命作った屋形船が音をたてて崩れていきました。ツ、ツナさんが――…犯罪者になってしまった模様です。



―――――………

―――……

――…



それからは大変でした。獄寺さんや山本さんがきて……獄寺さんなんか死体にタバコを突きつけるんですよ!あ、あとあと!変なエロいお医者さん…えと、Dr.シャモジでしたっけ?も来るし…とにかくスペシャルデンジャラスで、ハルは一体どうすればいいんでしょー…


「あ〜〜やっぱりダメだ〜〜!!人殺しちゃった――!本当に殺しちゃった〜!!!」


ツナさんが頭を抱えて泣き叫ぶ。…もう、どうしようもありません……


「こんな時のために、もう一人呼んどいたぞ」

「え?」


そうリボーンちゃんが言ったのとほぼ同時に聞こえた、激しいバイクの音。はひっ、ハルの脳内で何かの信号が出ています!


「はひっ!な、なにか乙女レーダーに反応がありますっ!」

「乙女レーダーって…」

「やあ」

「「「ヒバリー!!!」」」

「は、はひーーーーっ!!!!!!」


な、なんと!あの、ひ、ひひひ雲雀さんがハルの目の前にいますーっ!!!乙女レーダーの正体はこれだったんですねっ!


「ひ、ひば…ひばばばばば…っ……」

「今日は君達と遊ぶためにきたわけじゃないんだ。赤ん坊に貸しを作りに…」

「雲雀さん!」

「?…何」

「好きです!勝負してください!」



 …間。



「「「はあ!?」」」

「………」

「勝負してください!」


ちょいちょいと小突いて、ツナさんが何かをハルに呟く。でも、ハルの耳にそんな声は届いていません…!


「ツナさんは黙っててください!これはハルの戦いなんです!」

「ハ、ハル…」

「さあ!勝負してください!雲雀さん!」

「何だかよく分からないけど…でも、勝負ごとなら負けられないな」

「意外とヒバリさん乗り気だ―――!!っていうか何で勝負――!!?」


雲雀さん。ハル、この勝負だけは絶対に負けられませんから!覚悟しておいてください!!
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -