01



「はぁ〜…本当に今日は疲れたなぁ…まったく、リボーンのおかげで体中傷だらけだよ…」


オレは、ダメツナこと沢田綱吉(うわ、自分で言って傷ついた)。数時間前、波乱万丈な体育祭を終えたオレは、ベッドの上でごろりと転がる。家庭教師であるリボーンは、ビアンキと一緒にただいまお風呂タイム。オレが風呂に入った時は、体中傷だらけだったおかげで、ヒリヒリと傷がしみて、痛くて仕方がなかった。


「こんな生活、いつまで続くんだよ…オレの体が持たねーよ…」


もう一度溜息をつく。何回でもつきたくなるくらい、オレはストレス溜まってるんだよ、うん。ぐったりとベッドで伸びていると、不意に、プルルル…と、特有の電子音がした。まぁ、どうせ電話だったら母さんが出るだろう。案の定、少し間が空いたあとに、ピタリと電話の呼び出し音が消え、母さんが電話に出る声がした。


「ツッ君?電話よーっ」


オレに?誰が?なんだか面倒くさいな。今さ、オレの顔、少しげっそりしたと思う。


「はぁ…」


渋々、2階にある自分の部屋から出る。階段を下りると、母さんがニコニコとした顔で、受話器を手渡した。


「ハルちゃんよ。ツー君にすごく大事な用があるんですって」

「ふーん…はい、もしもし」

『ツナさん…?』

「うん。そうだけど…どうかしたの?」


なんかめちゃくちゃシリアスな声だな。ハルにしては珍しい。いつもは、「つーなさん♪」って感じで、悩みの欠片もなさそうな感じなのに。


『お、怒らないでくださいね…』

「うん」


絶対やっかい事にオレを巻き込むつもりだな。なんとなく、そんな事を予言した。


『実は、ハル…ツナさんの他に……』

「?」

『すすすす…っ、好きな人ができたんです!だから、ごめんなさい!』

「ま、マジで!?」


何がごめんなさいだよ。
ぶっちゃけそっちのほうが嬉しいよ!これでオレの事、必要以上に追っかけまわさなくなるじゃん…!ちょー嬉しい!オレの予言はずれたよ!


『だからツナさん!ハルのこと、応援してください!』

「うん!ちょー応援してあげるよ!」

『本当ですか!ありがとうございますー!ツナさんはやっぱり優しいですっ!』


ハルのやつ、ぜってーニコニコ笑ってるな。


「で、誰だよ。その、好きな人」

『実は…今日、棒倒しでツナさんと一緒に戦った、B・C連合軍の総大将さんなんです♪』

「え゛」


ちょっと待て。B・C連合軍の総大将って…え゛。受話器越しに、ハルが「キャー!」なんて、騒いでいるのが分かる。絶対オレ、顔が真っ青だ。


「おいハル…それって…ヒバリさんのこと?」

『ヒバリさんっていうんですか!?はひー…ビューティフルな名前ですーっ』

「んな――――っ!!!!」


マジかよ!あんなおっかない人、なんで好きになるんだよーっ!全然予言はずれてねーじゃん!!ちょーやっかい事運んできてんじゃん!


「ハル!今すぐ考えを改めて…」

『はひー…本当にステキでした…ひ・ば・り・さ・ん♪』

「聞いちゃいねー…」


――さすがハル…!ちょっと感心、してる場合じゃないーっ!オレ、応援なんかしたくないし!


「お、オレさ!もう寝るから!じゃーな!」

『えーっ…まだ9時ですよーっ?もっと乙女トークしましょーよー!』

「オレ乙女じゃないから!じゃっ」


ブチン。一方的に電話を切る。冗談じゃない。何が乙女だ。


「面白そうだな」

「わっ!」


どこから現れたのか、目の前にはリボーン。なんだろう。嫌な予感。


「ツナ。おまえ、キューピットになってやれ」

「はぁああ!!?」


ああ…神様。オレを呪ってるんですか。そうですか。ひどすぎます、神様。もう嫌な予感しか予感できません。本当に、あれもこれも全部リボーンのせいだ。






綱吉の受難
俺の扱いって 一体…!
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -