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部活帰り、オレは黒子といつも通りマジバに寄って腹ごしらえをしてきた。今日も一段と練習がキツかったから普段よかたくさん食った。が、黒子はやっぱりバーガーもポテトも頼まずにバニラシェイクをキュイキュイ飲んで、マジバを出た今もまだキュイキュイ飲んでる。


「オイ黒子…。オマエそれでシェイクいくつめだよ」

「6…だったと思います」

「どんだけ飲むんだよ!普通飽きるだろ」

「バニラシェイクは飽きません。それに、トレイに山盛りのバーガー食べてる火神君に言われたくないです」


黒子はそう言うが、別に普通の食事量だろ。そりゃ今日はいつもより二個か三個か…五個ぐらいは多かったと思うけどよ。他の奴ら、特に黒子が少なすぎるだけじゃね。


「きゃっ!」

「!…わり、」


角を曲がった瞬間、体に軽く衝撃がきて、気付けば目の前で女が尻餅をついて倒れていた。余所見してたな…と思いつつ女に手を差し伸べる。


「オラ、大丈夫か」

「あっ、あ…ごめ、ごめんなさい!ごめんなさいっ!」

「あー、いや、そんな全力で謝んなくても…オレも悪かったし」


お手を煩わせるわけには…とかなんとか言って自分で立ち上がった女の顔は真っ青で、今にも泣き出してしまいそうだった。ブンッブンッと目の前で何回も頭を下げられて、なんだかすげえ居心地が悪いような気分になる。


「…白澤さん?」


その時、存在を忘れてた黒子が、オレの隣で珍しく驚いたような顔をして呟くみたいに言った。頭をひたすら下げまくってた女も「くろ、こ…くん?」と、まさに恐る恐るって感じで視線を上げる。なんだ、知り合いかよ。



「驚きました。こっちに来てたんですね」

「あ、うん。久しぶりだよね。…実は、この近くに住んでる身内に不幸があって、帰ってきたの」


全く驚いてなさそうに淡々と話す黒子と、会話だけ聞いてりゃそこそこ仲良さげなのにも関わらず俯きっぱなしでもごもごと話す白澤とかいう女。…意味分かんねー。


「彼女は帝光中バスケ部のマネージャーだった人で、今は洛山高校バスケ部でマネージャーをしています」

「!! 帝光!?それに洛山って、キセキの世代の…」

「あの、は、初めまして…。白澤名前です」

「白澤さん。こっちはボクと同じバスケ部の…」

「知ってます。…火神君ですよね」


活躍は聞いてます、と言って少しだけ笑ってみせる白澤。こいつが桐皇にいるヤツと同じ帝光中の…、しかも現洛山高校のマネージャー…。


「あの、ごめんなさい。本当はもう少し話していたいんだけど…、明日はウチの学校、練習試合で…早く、帰らなくちゃいけなくて」

「そうですか。…では」

「はい。黒子君も火神君も、またね」

「お、おう」


「WCで、会いましょうね」


オレ達の横を通りすぎ、最後にこっちを振り返った白澤はそう言い残して去っていく。厚いメガネに隠れて目は見えなかったが、どことなくアイシュウってもんが漂ってた気がした。やっぱ意味分んね。とりあえず、アイツやキセキの世代がいる洛山にも絶対勝つ。


「きゃああ!ごめんなさい!」


遠くで白澤が何故か犬に向かって謝ってるのが見えた。何やってんだよ、アレ。


「火神君、彼女のことナメてるでしょう」

「………」


黒子の言葉に、なんとなく言葉に詰まる。けど、謝ってばっかで俯きっぱなしで、いかにも勝負事は苦手ですって感じなアイツは、正直言って帝光中や洛山でマネージャーをやってるようなヤツには見えない。どう見ても、あれはカントクや桐皇の桃井とは真逆のタイプだろ。


「油断しない方が良いですよ。白澤さんも桃井さんと同じで、キセキの世代の勝利に一役買った人物の一人です」

「!」

「キセキの世代である赤司君に見込まれて彼女は洛山高校に進学したんです。桃井さんには及びませんが情報収集能力も高いし、敵に回すと厄介な力も持っています」

「アイツ、そんなスゲエのか?」

「はい。…ボクが火神君の影だとするなら、彼女は――、」



『赤司君の影だ』






という感じの女の子で妄想しまくってます。原作もアニメもIHの秀徳戦までしか見てないのでいろいろ間違ってます。

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