完全に喰われる
「一緒に戦うんだしお互いの事知っておいた方がいいと思う」
私がそう言うと、永井はどうでもいいような顔をして本を読み始め、中野に至っては話を聞いていなかったようだ。
「…知るって何するんだよ…」
永井が聞いてきたので答えようとしたが考えてなかった。私が無言でいると永井は「やっぱり何も考えてないのか」と皮肉。
「じ、じゃあ永井は何か考えたの?」
永井は何秒か無言になり、その後私に近づいてきた。
「何?」
すると、永井は私の唇にーーー。
キス、したのだ。
私は無意識に永井を押していた。
「…何すんの!?」
「だから、体で知るんだよ」
「何言ってんの!?って言うか永井って性欲とかあったの!?」
「男なんだからあるに決まってるだろ」
な、中野、と永井は中野に同意を求める。
「し、知るか!そんな事より、何してんだよ!永井!野郎だって一応女の子何だぞ!」
うん。中野、それフォローになってないよ。
「いいから中野もキスしろよ」
「は、はぁ!?何で野郎とキ、キスするんだよ!」
「そりゃあお互いの事知るんだし当たり前だろ」
いや、当たり前じゃないから!どこら辺が当たり前なのか説明して欲しい。
「そうなのか…。っ、野郎…」
中野が私に近付いてくる。
ちょっと嘘でしょ!?
「や、やめて」
…呆気なく唇と唇が重なった。
そして、唇の隙間から中野の舌が私の口の中へと入っていく。ディープキスだ。
5分くらいしていたんだろう。私はもうヘトヘトだった。
ヘタっと床に足をつけた私を上から見る永井と中野は完全に男の人の顔になっていた。
そして2人は言った。
「まだまだこれからなんだけど」