前から今から
六つ子中学生設定
(十四松祭りの中学生まではまともだった、をネタとしています。)
毎週金曜日、十四松くんは私の家に勉強を教わりにくる。今日がその日だ。
事の発端は2ヶ月くらい前、ご近所の松代さんから六つ子が全員頭が悪く、特にひどい十四松くんに勉強を教えて欲しい、とお願いされたのだ。いつも松代さんにはお世話になっているし、私も一応高校生だし中学生の勉強くらいみれるだろう、と言う事で十四松くんと勉強する事になったのだ。
十四松くんはとてもいい子で私の話もきちんと聞き、勉強も私としていく内に、どんどん出来てきていた。それなのに何故テストは出来ないのか。ある日聞いてみると、「え、えーと、何か出来ないんですよねー」と笑いながら言った。
そして今日、この間の中間テストの回答が返ってきたようで。十四松くんは私に解答用紙を出した。
テストの結果は全て50点。良くも悪くもない点数だ。それでも六つ子の中では1番だったようで嬉しそうに笑っていた。私も良かったね、と笑った。
しかし、私とテスト対策のプリントをやっていた時は100点取れてた。テストも同じような問題が結構出ていたようだ。
「このテスト、十四松くんなら100点取れてたはずたよ?」
「そ、それは…」
「それは?」
「勉強出来るようになったらもう野郎さんと居れないのかなって…」
私は思わずクスッと笑ってしまった。
「別に何時でも来ていいんだよ?私、十四松くんと居ると楽しいし。それより私と会えなくなるのが寂しくてテストわざと間違えてたのね…」
私の言い方が気に入らなかったのか十四松くんはムスッとした顔で
「僕、本気で迷ったんですからね、野郎と何時でも一緒に居たくて。…僕野郎さんのこと好きなんです」
頭の回転が1回止まったような気がした。回転が始まった途端顔が熱くなった。だって弟のように思っていた十四松くんがこんな事を言うなんて思わなかった。でもーー…。
「私、もっと自由気ままで元気な子の方が好きだな」
「ハイッ!ハイッ!」
十四松くんは今素振りをしている。
…確に自由気ままな元気な子とは言ったけどそこまでなれとは言ってない!
「野郎さん、僕の事すきー?」
「…好きだよ…」
あの頃からずーっと真っ直ぐで私の事ずっと見てる十四松くんを私はーー。
十四松くんの方を見てみる。
十四松くんは口をパカッと開けて幸せそうに笑っていた。