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腹部から流れる血液に、肺から漏れる呼吸音。
支えてくれている腕に暖かさを感じながら、私は泣きたくなるのをぐっと堪えた。

「あはは…しくった…」
「…っ」

やだな、そんな顔させたかった訳じゃないのに。

あなたを支えて共に生きていく。
そう約束したからなのに、ああ、でも守れそうになくてごめんなさい。

私がこうなったのは、私の落ち度。あなたを庇ったのだって、私がそうしたかったから。
だけどあなたは優しいから自分を責めてしまうでしょう。

だから、少しでもあなたが自分を責めないように、私は笑った。平気だよって。

だけど、それもだんだん難しくて、感覚のなくなっていく自分の身体に最期を悟ってしまった。

死にたくなかった。

とても大切なあなたに伝えたい事があったから。

それでも、前へ行かなきゃいけないあなただから。この言葉はお墓に持って行くね。

だから、代わりにこの言葉をあなたに。

「ありがとう」

もし、またあなたに巡り会う事ができたら、今度は言えたらいいな。なんて、都合が良すぎるよね。

そうして意識は闇に落ちた。




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