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「すみません、坊ちゃまそれは…出来ないんで…」

ブチッブシッ

ぼたぼた

びちゃっ

「ミノなんか…きらいっ」

部屋の端からした生々しい音に幼児の声。

修行で出来た傷をキルアと互いに手当てしていた瞬間の出来事だった。
振り向いた時には既に肉の塊になった人のパーツが散らばっていた。

「アルカ、その人達に近付いたらダメだよ」
「うわっ、またかよっ」

またしても食い止められなかったその現象に、私もキルアも動揺してしまった。

お父さん、イルミ兄さんに反発してアルカと過ごして一年程、執事が何度も死んでいる。
何度、近付いてこないように牽制したが、それも、最近入るようになった任務中では防ぎようがなかった。

一筋縄ではいかないと考えていたけど、やっぱり、この頻度は高すぎる。裏で糸を引くのはあの親辺りだろう。
そこで気付いたのは、アルカのおねだりは願い事を叶えた後にねだる内容は際どいものがほとんどだと言うこと。
だけど、いつものように簡単なねだりもある。そこで更に考え得るのは恐らく願いの難易度が高いとねだる事も大事になると言うこと。

「ううっ、だって、さいきんくる人みんなわたしのことかまってくれなくなった…」

戻って来たアルカは涙目で、可愛いな、なんて思いながら頭を撫でてやる。

「きっと、アルカもそろそろ自立出来るようにお母さんに言われているんだよ。ね、キルア」
「あ、そうそ!オレ等なんか毎日修行しろ、毒を除けて食うなとかうるさいし」

話しを振ればそうキルアがウンザリとした表情で言葉を返してきた。それに私は苦笑しつつ同意する。

「そうだね。私も修行はまだしも、毒料理なんて味が変で美味しくないもん」

そう言えば、キルアは頷く。「だよな」と。それを聞いてアルカは「そっかぁ」と少し残念そうに頷いた。それを見て私はアルカの頭を撫でる。

「大丈夫、アルカがいい子にしてれば此処から出してくれるよ。そしたら色んなとこ遊びに行こう」

「ほんとう?」

落ち込んでいたのから一気に浮上したアルカは本当に素直な子だと思い、笑ってしまう。

「ああ、だからオレ達も強くなる。父さんに文句を言わせないためにな!」

私の言葉とアルカの喜び方に、キルアもやる気が沸いて来たのかそう宣言した。

「うん。頑張ろうね!」







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