獄寺君の隣になった女の子はそれはもう大はしゃぎ。いいなーと言ってその女の子の周りではしゃぐ女の子たち。

(…まあ、かっこいいもんね。)

珍しい銀色の髪とか緑の目とかあれだけ似合う顔立ちなんて獄寺君くらいだと思う。

(…あ、)

女の子が顔赤らめて話しかけてる。獄寺君は総無視だ。
…もうちょっと愛想が良かったらいいのになーって、ああこれ前に獄寺君に言って「十代目だけでいいんです」て言われたっけ。めちゃくちゃ胸ときめいちゃってあの女の子と同じくらい顔真っ赤にしたっけ。

「ツナ?」
「あっ、ああえっと…な、何?」

山本と話してたの忘れてた。

「聞いてなかっただろー?」
「う、ごめん…」

他愛のない会話を獄寺君から山本に視線を戻してまた再開するとチャイムがなって憂鬱な授業が始まる。
訳の分からない言葉(いや日本語なんだけど)を発する教師はオレの睡眠薬だ。眠りかけてしまった時ふと斜めに“銀”が見えてハッとした。

(わ、わわわっ…)

斜め前の人でちゃんとは見えない獄寺君に少しばかりイライラするが、でもその斜め前の人が動いたり獄寺君が動くたびにすっと見える真面目な表情や眠たそうな表情や仕草に
何度でも、とくんっと胸がはねて
凄く嬉しくなる。

今絶対顔赤い。




(…この席いいかも)





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