、
ダダダダ‥‥
直後、凄い音が聞こえて来ると
バンンッッとドアがいきなり開いて、リュウガが中に入ってくる。
つんのめる勢いで、厨房の奥まで駆け込んできたリュウガは、服を着る間も惜しかったのか
素肌にシャツを羽織っただけだ。
「せんちょう‥」
突っ立つ●●●に目もくれず、リュウガは素早く袋を取り上げ、中を覗いて「ぐっ」と顔を横に背けた。
「船底(した)のもダメか‥!」
すぐに叫ぶと、そこに駆け込んで来たナギが、下唇を噛み締めた。
「ええ。こないだ買った野菜は全部。‥‥おれのミスです」
「‥‥‥‥っ、」
そして訪れた、重たい沈黙。
しばらくしたのち、リュウガは「は」と息を吐く。
ガリガリと頭を掻きむしった。
「ま、今更どうこう言っても仕方がねえ。お前で分からなかったんだ。よほど特赦なケースなんだろうよ」
かと思うと、リュウガは頭を掻きながら、その場でグルグルと回り始めた。
厨房の奥を、行ったり来たり‥
しばらくすると足を止め、じとりと●●●をリュウガは見た。
「なら、コイツをどうするか‥‥」
ナギも1つ頷いて、同じように●●●を見る。
「へ?」
2人に顔を見つめられ、思わず肩がギクリと跳ねる。
「どうするか‥って、わ、わたしっ?」
引きつる顔で尋ねるも‥
2人はただ困った顔で、じっと顔を見つめ続ける。
「とにかく。食い物がねえならやむおえん。コイツの事はおれの方で考える」
しばらくしたのちナギの肩に、リュウガはポンと手を置いた。
2人は「うん」と頷き合う。
「‥‥って事で、まずは進路変更か…」
は…と息を吐き出すリュウガは●●●の頭をグシャリと撫でて
厨房の外に出ていった。
ワケも判らず見送る●●●は、リュウガがドアを閉めた途端、パッと顔を振り向かせた。
「……って、なんなんですか、ナギさん」
なんの事だか、ちっともさっぱり分らない。
ナギはただ困った顔で、戸惑う頭をくしゃりと撫でた。
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