七色十色 | ナノ
第1話 







「なア……レナって、そのォー……
……船長とヤったと思うか?」


ある日のキッチン。照れ臭そうにそう言って、ハヤテが後ろを振り返る。

そこにはナギの隣でチョコマカと動く、レナの姿。

つられて3人も、そちらを向いた。




そう。リュウガとレナが恋人同士となったのは
今から約、1ヶ月前。

それは海賊王の立場とか。
ひとまわり近く、年が離れている事だとか。
自分が特定の女を作ることで、彼女の未来をも、変えてしまう事だとか。

そんな不安全てをひっくるめて
それでも彼女を守っていこう。

リュウガの告白には、そんな覚悟が窺えた。


しかし。あれから1ヶ月が経つというのに、未だにレナは、恋い焦がれた目で、リュウガの事を盗み見ている。
そんな彼女の、以前となんら変わらない態度に
2人はまだ、結ばれていないのではないかと、まことしやかに囁かれていたのだ。




「当然だろ。つまらない事を聞くなハヤテ、」

しかし相手はあの船長だ。
たとえ天と地が逆さになったとしても
何もないとは思えない。
つまらなそうに、シンがチッと舌打ちをすると、ソウシがふふ…と笑った。


「――シンはそう思うかい?」
「?!」

3人の眼差しが、一瞬鋭く輝いた。

「それはどういう意味です? まさか船長がまだ、レナを抱いていないとでも?」

シンを始め、ハヤテとトワも身を乗り出す。
ソウシはレナに視線を移した。


「わたしが思うに…」


本当に大切なものほど

簡単に手が出せないんじゃないのかい?


「それはリュウガでもね?」

ふふふ・・・・
ソウシがまた、意味深に笑う。
3人は黙ったまま、彼女の背中を見つめた。


「(大切だから手が出せない?あの船長が?……いやまさか……
しかし、もしそうだとするなら、まだチャンスはあると、そう云うことか…)」


ぞれぞれの顔に小さく笑みが浮かんだのは、言うまでもない。


それから数日後。レナの誕生日当日。

船は、小さな無人島沖に停泊した。










 
   






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