福寿草 | ナノ
第10話 










「んじゃ、乾杯するか」

そうですね、と…向かい合って座ったテーブル。
ポンッ、とシャンパンの栓が抜かれると、しゅわしゅわと、炭酸の泡が弾けて踊る。
手渡されたグラスを受け取り、2人で目を合わせた。


「んじゃ…メリー・クリスマス…」

チン……と音が響いた――



     *



「……ふわっ、…おいしい♪」

ひと口呑んで顔を上げると、リュウガとバチっと目が合う。
なんだか少し照れ臭くて、慌てて顔ごと目を逸らす。
グラスを手に、SAKURAは窓辺に向かった。


「うわ……」

外はまだ、降り続く雪。
眼下に見えるオレンジの数々。
その下に温かな家庭があるかと思うと、胸の奥がじんとする。
そのとき不意に部屋が暗くなり、何ごとかと振り向く前に、背後から、ぎゅっと抱き締められた。

「!」
「やっと2人になれたな?」

ヒクリと震えたSAKURAのカラダを、リュウガは胸に閉じ込める。

「―― うん」

頷く間も、肩やら、うなじやら、首筋やらに、ちゅ、ちゅとキスが降ってくる。
くすぐったくて身を捩っても、彼はキスを止めてくれない。


「なァ…今日は疲れたろ…」

キスの合間に聞こえた声。

「ん……それより私なんかで良かったの?」

ちゃんと返事が聞きたくて、腕の中で向きを変えた。
向かい合えば雪明りで、彼の表情が見てとれる。

「…正直おれは、……お前が口説かれやしないかと、冷や汗モンだったぜ?」
「それを言うなら私だって…」
「なら、お互い様、…ってことだな?」

クスッと2人で笑い合う。
リュウガの手が、ぐいっと腰を引き寄せた。
そして、どちらからともなく、キスをした。



「……ん」

顎を上に首に腕を回そうとして、手にあるグラスに戸惑う。

「あ、ねえ…」

軽く胸を押し返すも、リュウガはキスをやめてくれない。
それどころか
手に持つグラスに気を取られ、あまり抵抗できないことをいいことに
彼は、スカートのスリットに手を滑らせ、直に太ももをまさぐり始めた。

「あん…っ」

その手が、足の間に潜り込み、指先が核の刺激を始める。

「ん、ちょっと!」

恨みがましく睨んでみても、彼は笑って指を動かす。

「ここだろ?」
「…っ!」

ショーツの上から優しくそこを愛撫されたら
SAKURAに抗えるはずもなかった。


「あ……ねっ、…待って!」

それでも背を仰け反らせ、小さな抵抗を繰り返す。
だけどリュウガは、触れる強さを加減しながら、的確にそこを刺激する。

「あっ!」
「下着の外までヌルヌルだ」

耳元で揶揄され、SAKURAの顔が真っ赤になった。

「…っも、…馬鹿っ///」

彼の胸をバシッと叩くと、反対に突起を摘まれた。

「っ、や……!」

反射的に抱きつくと、SAKURAを胸に閉じ込めたまま
本格的になぶり始めた。

「ふあっ…」
「ああ、いい声だ…」

キスをしながら、クチュクチュと聞こえる濡れた音。
もう1人で立っていられず、だけどちゃんと触って欲しくて足が勝手に開いてしまう。

「足広げて気持ちいか?」
「んぅ…、いい…」

じっ、と顔を見つめると、満足そうにリュウガは笑う。

「ホントにお前は可愛いな?」
「…っん」

深いキスを交わしていると
彼の手が下着の中に潜り込み、濡れるミゾをなぞった。

「やぁっ!」
「……思った以上にトロトロだ」

溢れた愛液を掬い取り、それを核に塗りつける。
その刺激に、思わず身体が仰け反った。

「ああっだめっ…!」
「ここか?」

反応を楽しむように執拗にそこを責め立てる。
喘ぐ声が止まらない。
だけどナカには挿れてくれず、もどかしい刺激にカラダが疼く。

「あっ、ね、ねぇ…」

思わず彼を見上げた。

「指が欲しいか?」

……欲し…ぃ…
そう言う前にズルっと指が挿入された。

「っはあああ…んっ!!」

動き始めた2本の指が、くちゅくちゅと音を響かせる。
キスをしながら溢れた愛液を掬い取り、親指が肉芽を刺激する。

もう、どうでもいいほど、気持ちがいい…
深くを擦られ、快感が身体を支配した。


「濡れすぎだ」
「やっああ、だって……」

彼の指が加速して、ますます激しい音を立てる。
溢れた愛液が太ももを伝って、ツーと下に流れていく。

もっと奥まで擦って欲しくて軽く足を持ち上げる、と、突然指が引き抜かれた。

「……っ」
「これ以上したら、止まんなくなる」
「……‥え?」

彼が放った意外な言葉に顔を見つめて唖然とする。
リュウガは口元だけで笑った。

「その前に。…クリスマスプレゼントをやらねーとな。
……繋がるのはそのあとだ」

その言葉に、SAKURAの方が慌てた。

「ヤダわたし、船に戻ると思って、プレゼント持って来てない!!」
「なら、ソイツは明日もらうとして……今日はお前に渡したいモンがある」
「……渡したいもの?」

変な言い回しに首を傾げる。
リュウガはポケットに手を入れた。

「ほら、これだ…」

ずいと差し出された小さな箱。
赤いリボンが巻いてある。

「……こ、れ?」

手を伸ばすと、リュウガはそれをツイと引く。

「あ」

「これをお前にやる前に…1つ聞いておきたい事がある」

見ればリュウガの顔に、さっきまでの笑顔はなく
いつになく真剣な眼差しで見つめられ、思わず息をのんでしまう。

姿勢を正してSAKURAはリュウガと向き合った。










 
   


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