「はい、家の用事で…すみません、はい、失礼しました。」 ふう、と溜息を吐いた後に後ろに座っていた次郎ににこっと笑う。 「じゃあ買い物いこっか。」 「学校、良かったのか。」 「うん、いいよいいよ、大丈夫!」 「…本当に?」 「学校って言っても部活だけだし。」 「悪い、」 「服ないと辛いのは次郎だけじゃないし、平気!」 「…ありがとな、」 ああ、可愛いよおおお。 「で、デパートに来たわけですが。」 「…その、金銭面とか。」 「お姉さんに任せなさい!」 「悪い、」 「だからいいよってば、…あ、」 「?どうかしたか、」 「じゃあ手、つなご!」 「…へ?」 「お願い。」 ね?と小首を傾げて言うとうっ、と次郎がたじろぐ。 「ねーねー、お願い!」 「…ん、」 顔をふいっとそっぽ向け、ぶっきらぼうに手を差し出す。 「ふふ、次郎可愛い、」 真っ赤な頬とか、 ちょっとだけ手汗をかいているところとか、 全然素直じゃないところとか、 可愛いって言われてふて腐れてるところとか、 全部全部、可愛いなあ。 「M?」 「なっ、」 「あ、いや、服のサイズ!」 「……S。」 「了解しました。」 「女性用?」 「はあっ!?」 「冗談だよ、メンズ服はあっち!」 勘違いして反応した次郎にきゅんきゅん! |