※XANXUS大学生ツナ高校生の義兄弟パロ
「なんでこんな暑いんだよ!お前の部屋にはクーラー無いのか!!」
「うるせぇ、そんなに文句言うなら図書館でも行け」
「図書館は嫌ですごめんなさい」
夏休み初日に書いた「一日の活動表」「夏休みの計画」というペラペラの薄い紙などもう記憶にはない。
残りあと一週間というところに来て、俺の宿題は山積みに残されていた。しかも、上から数学のドリル・英語のドリル。どちらもそこまで分厚いものではないが、如何せん俺にはもう越えられないんじゃないかと思うほど高く聳え立つ壁の如しだ。
「っていうかザンザスは暑くないの?涼しい顔しちゃってさー」
「暑い」
「ウソだ!お前は全然暑そうにしてない!!」
「暑いと言ってるだろ」
一向に進まない俺の宿題。だって仕方ない、試験ではいつも30点も取れない俺が、しかもこんなに暑くて暑くて堪らない場所でペンが進むわけがないんだ。
俺に背を向けて椅子に座っているザンザスの方からはキーボード音。そして打ち込みの途中にペラペラと何か厚い本をめくる音。
宿題を抱えて突然訪れた俺に麦茶を出したきりローテーブルに背を向けてザンザスはずっとそうしてる。
つまらない。
もとより分からない記号だらけのテキストなのに、分からないから教えてもらおうと思って来たのに。ザンザスは俺に構いもせずに背中を見せている。
「ねぇねぇ、」
ザンザスの座るデスクに近付いて隣から覗いてみる。
細かい文字の羅列した本についていた手が止まり、わずらわしそうに視線が向く。それから緩慢な動きでいつもは掛けていないノンフレームの眼鏡を取る。そのまま柄を畳んでノートパソコンの脇に置いた。
「いい加減に――」
「暑いからアイス買いに行こう、コンビニ」
えへへ、と笑って見せれば、ザンザスは大きくため息をついてパソコンの電源を落とした。
二人で並んでアイスをかじりながら、コンビニからの道のりを歩く。
結局アイス以外にもスナック菓子やペットボトル飲料を買い込んで、お互いアイスとは違う手に荷物を提げて帰る。
「ね、今日泊まってっていい?」
「奈々には連絡しろよ」
「はーい」
夏休み残りあと6日。宿題は終わりそうにない。
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