しっちゃかめっちゃか。 ほぼ会話文のBSネタ。 家族の間で日頃の疲れを癒す為に慰安旅行をという話があがったようです。 「私は海に行きたいわぁ。誰か一緒に行きましょうよぉ」 可愛らしい妹の提案に真っ先に手をあげたのは私だった。 そしてそれ以外に手があがらなかったのが現状である。 結局見事に家族間で意見は別れてしまった。 ちらりと紅炎お兄様の方を見れば彼は神官様と一緒に温泉がどうのこうのと話している。 なんてことだ。 正直に胸の内を告げよう。 私はお兄様と一緒にいたい。お兄様達と。家族と。 大体最初は家族みんなで旅行に行こうという話だったはずなのに。 紅明お兄様は家から出るのを渋るし、後、何故に神官様がいらっしゃるのか。 彼こそ家に留まり内に籠り仕事をなすべきでは。というか彼は仕事をしているのだろうか。 とりあえず神官様の存在はさておき、このままでは各々好きに出かけてしまえば、という話になってしまう。 確かに、お兄様はお疲れであるのだろう。 日頃の疲れを癒すため、ゆっくりと休息を取るのには温泉がいいかもしれない。 でも私は紅玉と海に行きたい。泳ぎたい。遊びたい。きゃっきゃっしたい。 だけど、お兄様と旅行に一緒に旅行に行きたい…きゃっきゃっしたい… 「遅くはない、と思います…」 「は?」 「海に行って、遊んでから温泉に行っても遅くはないと思います!」 「シャハラ、しかしだな」 「海から温泉でも遅くはありません!常夏の海!そして癒しの温泉!何が問題でありましょう!」 「いや、だからな、俺は別に海には」 「わあああ!家族で!旅行に行きたいというのはいけない事でしょうか!思い出を…つくりたいというのはっ、わ、わがままですか…!一緒に遊びに行きたいというのは悪い事なのですかっ…!」 「…わかった、行こう。海に行ってから温泉でも遅くはないな」 「はあ?紅炎、何だよ急に。お前もうおっさんだろ?止めとけよ、海とか疲れるぜ」 「神官様は口を出さないでください!お兄様をたぶらさないで!」 「うるせーババア。紅炎は俺と一緒に温泉行って温泉まんじゅう食って温泉たまごも食って懐石料理食うんだよ」 「食べてばかりじゃありませんか!運動もせずに食べてばかり…太らせたいんですか!ぽっちゃりぽちゃぽちゃがお好みですか神官様は!」 「別にお前に関係ねーし。紅炎そんな簡単に太らねーし。太っても痩せりゃいいじゃん」 「年をとるごとに痩せにくくなるのです!お兄様はもう年をとりました!手遅れです!」 「うるせーってでぶ。紅炎は俺と温泉に入り、温泉に入ってから温泉に入って帰るんだよ。海なんて俺は行かねーし。泳がねーし」 「…べ、別に神官様は誘っていませんけど?」 「…はあ?」 「お前達喧嘩は止めておけ。ジュダル、別に海につかる必要はないから付き合うだけ付き合ってくれないか」 「…まぁ、いいけどよ」 「な、んだかとても納得がいきませんけど…いいですわ。それではお兄様は紅覇達を誘ってください。私は白瑛達に声をかけて参ります」 「…別に俺は構わないが紅明にはお前達が声をかけた方がいいんじゃないか?白瑛達には俺が…」 「いいです。私が行きます故」 「…いや、別に良いんだが紅明はお前達に声をかけられた方が嬉しいかと…」 「いいんです!あんなおっぱい星人とお兄様の距離を縮めてなるものか!行くよ紅玉!レッド戦隊赤レンジャーレッド1!」 「レッド2は私ですかお姉様!今行きます!」 「勿論!お兄様はロボットとして世界を守り、黄文は悪の組織イエローマザー!しかしここに敵同士でありながら惹かれあう二人がいるのであった!壮大な物語が今ここではじまろうとしている!」 →ちゃんとみんなで海と温泉行きました。 ――――――――― 八紘様にこっそり捧げます。 ザクロちゃん可愛いです。 壮大な物語ははじまりません。 |