人の中身がどうなってるか、とても気になった事がある。 事情を話して分解させてもらった。 ちょっと汚くて見づらかったけれど何度か繰り返す内にはっきりと構造がわかった。 構造がわかった後は疑問が解決したせいか興味はなくなった。 また違う時期に鳥は、虫は、動物は、植物は、どういうつくりになっているかとても気になった。 多分僕は人より我慢とか辛抱とかが上手くできなくて。 すぐに行動してきちんと中身を見る内に理解して今日はなくなった。 好奇心は何かを殺すというけれど、確かにそうだろう。 だけど、学問や未来の為、僕の為に犠牲になるのはとても喜ばしい事だと思う。 人や動物の中身がどうなっているかはもう良いとして。 例えば食事をずっとやらなかったらどんな反応をするだろうか。 関節を逆にして生活をさせてやったらどうだろう。 針を一、二本飲んだって生きていけるだろう。 さて、幼い人狼を拾った。 森の辺りで一匹だけぽつんといたから連れてきた。 狼人間って呼ばれたりもする生き物らしい。 可愛らしい小さな女の子姿をしていた。 彼女はどういう生き物で何をしたらどんな反応をするんだろうか? 人狼としての血が薄いのか濃いのかどうなのか。 とりあえず本で見たような生き物ではなかった。 いやいやと首を振って抵抗する小さな体を押さえつけてよく観察すれば小さな熱い口の中に真っ赤な舌と歯があった。 それから何本かの鋭い牙が。口を閉じて刺さらないのだろうか。 また生えっぱなしの獣の耳と尻尾は無意識で動くらしい。 ふわふわとした茶色の毛がちょこまかと動く。 人間の耳と獣の耳があって耳が四つもあるなんて、と思った。 だけど人間の耳は飾りらしく音は聞こえてないらしい。 どころか触られた事にも気付かない。痛覚はあるんだろうか。 それから気になった尻尾や耳の生え際だがこれもよくわからない。 とりあえず自然に生えているのはわかった。 でも、小さな人間の体に尻尾と耳を糸と針で縫いつけても似たようなものができるんじゃないだろうか。 僕の思考が色々と働く中で彼女は泣きだした。 そして高い女の子みたいな可愛らしい声で獣みたく鳴いた。 涙でぬれる不思議な色の大きな瞳で僕を見上げて睨みつけていた。 仕方ない、今日は放してあげよう。 |