服がないようなので踊り子さんのお洋服を着たようです。

「どうですか」
「どう、とは?」
「み、見た感じ、とか…」
「ああ…そうだな。布が少ない、な…」
「…はい、見たまんまの感想ありがとうございます」

そうじゃないんだ。

「替えのお洋服をお持ちしましたよ」
「あ、わざわざごめんなさい紅明様」
「いえ、こちらこそお待たせしてすみません」
「そんな…私にお時間取らせるだなんて、本当にごめんなさい」
「構いませんよ。でも、着替えるのも残念ですね。お似合いですよ」
「あっ、ありがとうございます…」

「シャハラ、着替えろ、今すぐ着替えろ」

何をそんなに不満そうにしているか教えてよ!

紅炎さんが小さくなったよ!

「という訳だ。どういう訳かはわからない」
「そう、ですね…ふ、」
「どうした」
「いえ…こ、えさ、ま…はわ、かわ、い、いぃなぁ、て」
「怒るぞ。報告だけだからもう戻る」
「はい、わかりました。お気を、つけて…」
「…何だ」
「いえ…こ、えんさま…お部屋に、ちゃんと、帰れる…ますか?」
「馬鹿にしてるのか。怒るぞ」
「いえ、滅相もございません…お姉ちゃんが、ついていこう、か?」
「…俺は怒ってるからな?」

だって可愛いんだもの。

お嫁さんが小さくなったよ!

「という訳です。よくわかりませんが…」
「…そう、か。何だ、その、可愛い、な」
「止めてください。それではそろそろ戻りますね」
「そう、か…部屋までの道はわかるか?」
「馬鹿にしてるんですか。失礼します」
「ああ、気を付けろ」

ばばん

「…何だ、戻ってきたのか」
「ちが、み、道がわからな、なって、ちが、のに…」
「…そう、か」

泣かなくてもいいだろうから。

部屋と私といかがわしい本。

「お姉さん見てみてー。炎兄の好きな本ー」
「まあ…こういうのがお好きなの?」
「知らなかったのぉ?読んで頑張ってねぇ」
「い、いえ…そんな、いけません!」
「炎兄が好きなんでしょー?頑張らなきゃ!捨てられちゃうよー?」
「そ、それは…よ、読めばいいのでしょうか?」
「読んでからぁ、実践、かな?頑張ってねぇ」
「が、頑張り、ます…!それが務めですものね」

「そのいかがわしい本から離れろ二人とも」
あらぬ誤解を受けるところでした

「ところでお前は何をどう頑張るつもりだったんだ」
「そ、それはもう…いいではありませんか」
「ほう、俺には言えないような事を頑張るつもりだったと」
「や、ちがっ、からぁ…もう…」

でもいじめたくなる

従者さんとお嫁さんと第一皇子様

「ごめんなさい、今から着替えるからもし紅炎様が訪ねていらっしゃったらお相手してさしあげて?」
「お前なぁ、そういうのは事前にわかってたらならあらかじめ、」
「わかってるわ。お説教はまた今度ね。じゃあよろしくね!」
「…後、お前髪の毛はねてるから梳かせよ」

紅炎さんきたよー

「…シャハラに会いにきたのか」
「ああ…というか何故お前が当然のようにここに、」
「シャハラに会いたくば俺を倒していけ!」
「何を…くだらないな。ところで何故お前がここに…あいつの部屋、」
「ほう、余程怖気づいていると見た!」
「何だと…良いだろう、相手をしてやる。
俺はお前を倒し、力ずくでも必ずあいつに会ってやる」

「…何をしているのですか」
「別に何もしてない」
「紅炎様は何をそんな意気込んで…誰と必ず会うつもりなのですが」
「別に誰でもない」
「第一皇子様は一刻も早くお前に会いたかったらしく俺を倒すと言っていたところだ」
「ちが、」
「違うでしょう。おふざけにつき合わせるのは止めなさいな」
「違うのか?」
「ち、がわない…早くお前の顔が見たかった」