デイダラにお父さん、娘さんをください、と言われたのがはじまり。

ふざけて言っているのはわかったが別に面白くも何ともない。
その上欲しがられてる当の本人はというとえ?サソリさんデイダラのお父さんなんですか?…16、まぁいけなくもないですけどお相手は?なんてほざいている。
勝手に持ってけ、そしてどっかいけ、静かにしろ、と言えば彼らは離れていった。
二人がどういう関係なのか特に気になるわけでもないが、そうか、そういう関係か。まぁ、どうでもいい。
今、興味があることは強いて言うならばこの傀儡の、この部分の分厚さはどうなのか、ということだけだ。もしかして、少し削りすぎただろうか?この俺がまさか。

しばらくして手が空いたので二人の様子を見に行けばデイダラは粘土をこねにこねていた。
声をかけると気が散るからどっかいってくれよな旦那、うん、だそうでこいつ死ねばいいのにと思った。
折角この俺が声かけてやったのに。ようやく暇であることを自覚したのでレナの部屋にも行くとベッドの隅っこでシーツにくるまって丸くなって寝てた。
ゆすり起こして布団はどうしたのかと聞けば今外で干してもらってる、との返答がきた。
もうすぐ陽も落ちるだろうから回収してくるよう言うとぼけぼけした声でうーん、うんうん、ううーん、と。
シーツにくるまって丸くなって再びすやすや寝始めた。相当な馬鹿面を晒している。
なんとなく、その馬鹿面をみてると人にくれてやるのは惜しい、と思った。今日の夕飯は天ぷらが食べたい。

「デイダラデイダラ、お前にやるのはやめにした」「…は?え?何が?」「今日のご飯天ぷらだそうですよ」「え?今日天ぷら?」「何?今日の天ぷらの話?」

(で、結局何が何だって?)