決して悲しいという気持ちはなかったのだけれど、寂しいという感情はあった気がする。 「レナ」 デイダラが私を何度も何度も呼んでから抱きついてきた。 それからしくしくと泣き始めて、一言寂しいとだけ言ってきた。 私が聞き流していると彼は口づけをしてきてそのまま行為になだれ込んだ。 目が覚めるとお腹が痛くて腰がだるかった。 文句をいうつもりはないがこうなるのはいささか良い気分ではない。 ずくずくと痛む子宮を腹を裂いて取り出したくなる。 そうしたら膣が広がって痛みを感じるラインが小さくなるんじゃないか。 なんて、そんなくだらないことをずっと、考えてた。 ――――――――――――― 誰かが私に言っていたのだけれど、負けるところが想像できないらしい。 決して強い訳ではないのだけれど無様に負けるところが、死ぬところが想像できないと。 もしかしたらそれは死ぬな、生きろ、頑張れという激励でありお世辞であったのかもしれない。 だけど、甚だおかしな話ではあるが私も自分が無様に敵の手にかけられて死ぬところは想像できなかった。 戦闘で無様に怪我をすることはあった。 痛くて痛くてたまらなくて情けないとも思った。 だからやはり私は決して強い訳ではなくて。でも殺されるという無様な死は考えられなかった。 だからってのうのうと生き延びて長生きしてこの世を全うし、老衰なんて、一番ありえないだろうとも、思った。 結局私は自殺という形で人生に幕を下ろした。 持っていた刃物でさっくりと首を切り、鮮血が吹き出す中意識を朦朧とさせ死んだ。 死を選んだ理由はひどく単純で、寂しさからだ。 死ぬのは恐ろしくなかった。 これから一人で生きて、いつか死ぬという方がとても恐ろしかったからだ。 サソリさんが死んでからしばらくして、デイダラの命が危ういと感じた瞬間、その恐ろしさが私の背中を押したのだ。 彼の死を見届けてから私は彼の死体の傍で首を切って死んだ。 ぼんやりと意識が薄れていく中、私の醜い死体を誰か隠してくれればいいのになぁ、なんて思っていた。 |