下の
自分の手当てを終えてふう、と一息ついてから眠る弟の頭を撫でた
起こすつもりは少しもなかったがぱっちりと愛らしい瞳が開かれてしまう
ちょっとした申し訳なさを感じつつおはようと挨拶を告げれば彼は困ったような顔をして起き上がった
「ごめんね、いたかったよね」
ぎゅう、と抱き付くと彼は小さな声でそう言った
「痛かったのは紅覇でしょう。大丈夫?ちはでてない?ごめんね、噛みついて」
抱き返しながらそういうと彼は平気だと告げてから力強くわたしを抱き締める
嫌いにならないでね、と情けない声が言ってた
私は痛いのを好ましいとは思ってない、けれど、
私よりも彼の方がずっと痛くて辛いのだろうと思う
私の怪我は私自身がいともかんたんになおすことができるもの
けれど、彼のことは誰ものもなおすことができないんだろうとおもう
だから、だから、
依存してるのは誰だろう