「ヒソカ、」
「名前ごめんね起こしちゃったかい?」
暗くて冷たい廊下から見たヒソカの顔は、不健康なほど白かった。
「…ううん、平気」
「じゃあ、早く寝なさい子供が起きている時間じゃあないよ」
「………うん」
「いい子だ」
言いたい言葉を飲み込んだ俺の心境なんて知らないかのように、扉は静かに閉まった。
ヒソカ、裸だった。
別に始めて見た訳じゃない。
でも、
磨きぬかれた筋肉と白く触ったら滑らかであろう肌。
うっすらと浮かんだ汗は、その前の行為の激しさを示していた。
身体に飛んだ花弁は、爪痕は、唾液は、ねぇ誰のもの?
扉を閉める前に見えた景色が目に焼き付いて離れない。
荒くなってしまう息を必死に咬み殺す。
ヒソカにバレちゃう。
あぁ、でも大丈夫かな。
だって、きっと、今頃はシャワーを浴びてるはず。
手の動きは、頂上を求めて速くなるばかり。
ヒソカ、俺はヒソカに拾われたときから見る世界が変わったんだよ。
ヒソカに子供扱いされなくなるのはいつかな。
美味しい果実候補とかでなく、一人の男として愛される日は来るのかな。
「っ、」
登り終わった後、心に残るのはいつも倦怠感と少しの罪悪感。
吐き出された欲で汚れた手が、虚ろなガラス玉に映る。
それでも俺は――…
「…早く片付けよう。ヒソカが来る」
きっと、ヒソカが来る。
血とか諸々で汚れた身体を綺麗にしたら、死体の眠るベッドには帰らず俺の元へ来るだろう。
「一緒に寝よう」と、俺の気も知らずに言うだろう。
だから俺は、眠い目を擦りながらさっきまで寝ていたと偽りながら、ヒソカを迎えて、それで、
「それにしても、アレは馬鹿だなー」
俺がこんなにも渇望している身体を、一時は好きにすることを許されたっていうのに。
あんな、仮面みたいにつまらなさそうな顔をさせるなんて。
「おれならもっと上手に殺される」
死ぬとしたって、ヒソカの心のどこかに残ろうと、必死になるのに。
140411
10年で変わったものと変わらないものの条件を勘違いしてかいちゃったやつ。
るるる様から言葉お借りしました。
中途半端なもの書いてしまってごめんなさい。