赤い爪が素肌をなぞる。
快楽に身を任せ吐息を吐きつつ昔の男を思い出した。
彼はこんなに上手く無かったかしら
「ベットの上で他の男の事を考えるなんで随分余裕ね。」
グレルの眉が困ったように寄せられる。
「何故分かったのかしら?」
「アンタの恋人よ?嘗めてもらっちゃ困るワ。」
男の癖にやたら色っぽく笑みを浮かべるものだから悔しくて髪をやんわりと引いた。
「何よ」
重力に従うように降りてきた頭。
首に腕を絡ませれば優しく口付けられる。

私のの中でグレルが果てる数秒前。
彼は苦しそうな、泣きそうな声でこう云った。
アタシだけを見てて

「今の私は貴方のものよ。」
私は彼の頭を強く抱き寄せそっと囁いた。



アトガキという名のいいわけ

超が付くほど短くなってしまいました。
グレルの小説、色っぽいものしか書いてない(汗


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