嘘を付くなら穴二つ?







悩む悩む悩む。

いっこ嘘を付いても良い日。
嘘を考えるのって難しいわー。

骨折した…。
おなかが痛い?
…言われても困るだろ!!
川沿いのケーキ屋さんがケーキ無料で配ってたよ。
いまいち…。ん〜ぼやけてる…

しょうもない嘘が浮かんでは消える。
どうせ付くなら騙されてさらに楽しいのがいい!夢のある奴!笑えるの!!

ベンチに腰掛けてぼーっと考えてたら柔らかい日差しも手伝ってだんだん眠くなっててきた。
うとうとしてると遠くからにぎやかな声が聞こえる。

「どこ!ねえモブリット!どこにいるの!!」
「もう少し、もう少しで着きますよ分隊長!」

「超!たぎる!ひゃーっ!」

ハンジが物凄い早さで目ん玉ひんむいて笑いながら走っていく…。遅れてモブリットが全速力でまくし立てながら通過して行った。
ハンジ…キモ恐い。でもモブリット楽しそう。

「寝てるのか?」
「あ、ミケさんどうしたんですか?」
「アレが騒がし過ぎるから止めに来た」
「はぁ。ご苦労様です。巨人がらみですか?」「…モブリットが付いた嘘を真に受けて、服を着た巨人を探し回っている。」

「どうりで…モブリットが楽しそうなのは普段の仕返しですね。」
「バレたら絶交ものだな。」
「絶交って。ふふっ可愛い」

思わず口にした一言が恥ずかしかったのが彼はコホンと咳払いをして空を仰ぎ見る。
「あ、ミケさん。見てください手乗りの巨人が発見されたんですよ。」
と両手の平をくっつけて彼に差し出した。ぱっと考え出した嘘を彼に披露する。

少し黙った彼がじっと見えないものをみようとしている。
「何も居ないが…」と私の手の平に自分の手を重ねぎゅっと握った。
かさかさしてるけど暖かくて大きな手。
分かりやすい嘘に丁寧に乗っかってくれる彼は真面目で意外と面白い人だ。

すると、大きな彼が膝を折って私の耳元に顔を近づけて話し出す
「手乗りサイズは巨人じゃなく小人だろう?どこにいる?小さすぎて指の隙間から逃げたか。」
私の指をゆっくりなぞって冷静に指摘された。

「ミケさんっ!!近いっ!エッチ!!」
予想してない出来事に驚きと恥ずしさで大きな声をだして手をふりほどいた。

「討伐数70の班長でも耳まで赤くして…お前も可愛い奴だな」ふっと「嘘付いた仕返しだ」なんて得意げに笑われてしまった。





あなたを侮ってました



20130423





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