film review

● 独裁者と小さな孫
これ、グルジア語で話してるんですってね。
どこかの国。息子夫婦と妻を殺害され、孫息子後妻と二人の娘とともに暮らしていた独裁政権の大統領。内乱の様子を宮殿で目撃した翌日。外遊と称して後妻と娘たちは亡命。孫息子もついていくはずが、大統領のそばを離れまいと国に残る。娘たちを見送ると、宮殿への道中でついに反政府組織のクーデターが勃発。二人は命からがら追っ手から逃げるが…。

あんまりこういう映画みたことなかったですわ。土地は東ヨーロッパかアラビアの荒涼とした大地、出てくるのはすべて東欧系の人たち。髪の毛は黒かブルネットだけど顔つきはスラブ系みたいなかんじ。使われているのはグルジア語。下手に英語で製作してないのがいいです。

ほら、ナチスドイツは全権掌握していたヒトラーとその右腕たちが極右だったし、とうぜん人種差別もそういう思考からくるものだったけど、この大統領にそういうカリスマ的思考はなかったっぽい。なんか、むしろ独裁者といわれながらも彼の知らないところで彼の名の元に兵士や側近や公的機関が悪さしてたのでは??と思った。

でもリアルというか。これが現代なんだとしたらすごい。貧困もいいところ。何もない。確かに撮り方は派手じゃないし、終わり方もむずむずする人がいるかもしれないけど、画面がシンプルで私は好きだった。大統領と孫のやり取りも好きだし、随所に見られる「この国やばい」エピソードがリアルでいろいろ考えさせられる。

バベルほど回りくどくないし、結構お勧めです。
2018/10/03 21:06

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